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現実の世界では、ウタがシャンクスの手を借りて立ちあがっていた。
自分がどうなろうと、観客たちを助ける為に。
ウタ「A……力を貸してくれる？」
小さく呟かれた言葉に、シャンクスが目を見開く。彼女はルフィと隣同士に寝かせられていた。
ウタはシャンクスに見送られながら、半分崩壊しているステージに向かった。
一方、襲って来る観客から身を守っていた赤髪海賊団の面々は、ステージに上がるウタを目にして驚きの表情を見せた。
そんな中、サルのモンスターが映像電伝虫をウタの前にそっと置いた。
これでウタの歌声が、世界中に中継される。
ウタはニッコリ笑って歌い出した。
曲はウタがいつも赤髪海賊団を思って歌っていた『世界のつづき』だ。この曲はAとよく一緒に歌っていた思い出の歌でもある。
―――どうして あの日遊んだ海のにおいは
どうして すぎる季節に消えてしまうの
ウタが歌うたびに、彼女の体からは光の粒子がふわりと浮かび、まるで命を散らすように空中へ流れていく。
美しい歌声がライブ会場にゆっくりと広がっていくと、暴れていた観客たちがガクッと脱力してその場に倒れはじめた。
ウタの歌で“トットムジカ”の呪縛から解きはなたれだしたのだ。
倒れた人たちは、みんな幸せそうな、おだやかな表情をしている。
赤髪海賊団のメンバーは、その場に立ってウタのステージをじっと見つめていた。
―――信じられる？ 信じられるかい？
朝を待つ この羽に吹く
追い風の いざなう空を
ステージ袖にいるシャンクスも、じっとウタを見つめていた。
陰に隠れているその表情はうかがい知れないが、口元は笑っている様にも、歯を食いしばって何かに耐えているようにも見えた。
その時、彼女の隣に銀色の髪を靡かせた女が立っているように見えた。
ハッと目を見開くシャンクスが、ボックス席へと目を向けるがルフィの隣にAは眠ったままでいる。だが、その女は見間違えるはずもなくAだった。
シャンクスは静かに笑みを浮かべる。
───ウタ。
ウタ「!?」
歌を歌いながら目を開けたウタは、自分の隣を見て泣き笑いのような下手くそな笑みを浮かべた。
Aだ。Aが力を貸してくれている。
ねェ、一緒に歌おうよ。あの時みたいに───。
***
ウタウタの世界にも、ウタの歌声は届いていた。
ゴードンが天を見上げて言う。
ゴードン「天使の歌声……ウタだ。」
そんなゴードンのお腹の傷口からは音符が出ていき、みるみる傷が塞がっていく。
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星空ブリキ - 今更コメント失礼します! ブリキはワンピースに興味があるかといえばそうではなかったのですが、ウタちゃんをYouTubeや紅白歌合戦などで見てると見たことはないのですが映画行きたいなって思う様になりまして、少しずつ見る様になりました(長くなるので次行きます (2023年1月10日 21時) (
レス) id: d2bad01efc (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - みりおんさん» ありがとうございます！本編も頑張りますね！ (2022年9月22日 11時) (レス) id: 47ec2d84ad (このIDを非表示/違反報告)
みりおん(プロフ) - フィルムレッドの小説お疲れ様でした！文章から映画館で見た場面が浮かび上がって、とても感動しました！！さきっちさんが書くルフィがカッコよくて推しになりました！また本編でも素敵なストーリーを楽しみにしてます！ (2022年9月22日 3時) (レス) @page16 id: 574f494a01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきっち
| 作成日時：2022年9月21日 1時
