ひとりじゃない証-No.2- 【金田一少年の事件簿】初代実写版 (ページ44)

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10話ページ44

それからオーナーからそのカゲツという客がいる部屋の鍵をもらってすぐに皆で向かった。
向井刑事が鍵を開けて突入した後にみんなで部屋に入る。
荒らされた部屋と壁紙がはがれた壁。

向井「警部、壁に…」

向井刑事のその言葉にあたしたちは目の前の壁へと視線を向けた。
そこには赤い文字で【地獄の炎に焼かれよ】と書かれていた。

美雪「オペラ座の怪人の台詞だ…」

あたしの隣でそう溢した美雪を一瞥する。

黒沢「地獄の業火に焼かれよ…」

オーナーがそう言ったのを聞いて、あたしとはじめちゃんは彼を振り返った。
その時、友代が声を上げた。

友代「もういや!こんな殺人鬼がいるような島、泊まってられない!!」

友代はそう言うとすぐに部屋から出て行った。
あたしは壁に書かれた文字をもう一度見るとすぐに友代の後を追った。

雷雨が酷い中、友代は自分の荷物を持って船が停まっている筈の桟橋まで向かう。
そのすぐ後を真壁君が追って行って、あたしとはじめちゃんも遅れて後を追いかけた。
雨に濡れて張り付く前髪が鬱陶しい。

真壁「ロープが切られてる…!なめやがって!」

一「俺たちは閉じ込められたんだよ!」

追いついたあたしとはじめちゃんは真壁君と友代から離れた場所で彼らを見つめた。

一「もう誰も……この島から逃げることはできないんだ」

はじめちゃんがそう言った後、すぐに美雪たちも追いかけて来た。
晴美が両腕を掴んで震える体を抑えながら声を上げる。

桐生「復讐よ!!」

あたしたちは彼女を振り返った。

桐生「月島冬子の復讐よ!」

布施「そうだよきっと!カゲツは月島冬子の亡霊だよ!!」

晴美に続くように布施君もそう言った。
あたしとはじめちゃんは激しく振り続ける雨の中、2人の言葉を聞いて眉を寄せた。
そんなあたしたちを美雪が泣きそうな顔で見つめる。

───月島冬子…かぁ。