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26話 ページ34

あたしははじめちゃんと美雪の間に座りながら警部からもらったパンを食べていた。



剣持「あ…聞いたよ。大変でしたね」


一「まぁ…」


剣持「本物のジェイソンだけど、彼の死刑は2年も前に執行されてましたよ」


『そうなんですか…?』



あたしはメロンパンにかぶりつきながら警部を見た。
すると警部は「あ、それから」と懐から写真を撮り出すと、



剣持「これ、遠野英治と小泉瑩子の写真です」



あたしに渡した。
それを受け取ると両隣からはじめちゃんと美雪が覗き込む。
写真には笑顔の先輩と小泉さんの姿が映っていた。
あたしとはじめちゃんは美雪の方へと顔を向ける。



一「美雪にそっくり…」


『何となく雰囲気は空に似てるかも…』


美雪「さーちゃんにも似てると思うけど?」


一「ああ」



頷く2人にあたしは『え゛』と写真を凝視した。
そしてすぐにハッと顔を上げる。



『それであの時…』



美雪と空が止めに来た時、先輩は動きを止めてじっと2人を見つめていた。


あたしが声を掛けた時も止めたのは、彼女さんに似てたからか…。



剣持「僕も驚いたんですが、その2人は正真正銘血の繋がった兄と妹だったんですよ」


一「『え?』」


剣持「家が貧しかったらしくて…小泉瑩子の方は生まれてすぐ、遠野の方も5歳の時養子に出された」



美雪はそっと警部から視線を外した。



剣持「離ればなれに育てられた兄妹が偶然めぐり逢い、恋に落ちてしまった。遠野と瑩子がその事実を知ったのはずっと後のことらしい」



あたしとはじめちゃんも視線を下げた。



剣持「遠野は自分たちの恋が決して結ばれないとわかっていた。悲恋湖の伝説の恋人たちのように…」



あたしは視線を下げたままの美雪を見てから視線を前へと向けた。
すると警部が袋を持って立ち上がる。



剣持「お2人は血の繋がった兄妹じゃなくて、本当良かったですね!」


一「え?」



うんうんと頷く警部にはじめちゃんが素っ頓狂な声を上げる。
あたしが頬を染めながら『何それ…』と言うと、警部は笑いながら立ち去って行った。



美雪「あ……でもさ、本当わたしにそっくりだよね」


一「『…全っ然違う』」


美雪「何が?」


一「胸が」


『雰囲気が』



失礼な事を言ったあたしたちはすぐに立ち上がると警部を追いかけた。



美雪「ちょ、ちょっと!」



その後を美雪が追いかけてくる。



一「警部ー!」


『ちょっと待ってよ、警部!』


美雪「ちょっと、2人とも!!」

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紗菜 - こんばんは、私も金田一シリーズ初代が一番好きで見てました。初代の夢小説って他には見かけないので一気に読み上げました。続き楽しみにしてます、更新がんばって下さい。 (2019年9月22日 0時) (レス) id: 83af26d21e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さきっち | 作成日時:2019年8月6日 1時

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