15話 ページ23
服を着替えて横になっている美雪と空の元へと帰る。
2人の服はあたしが着替えさせたのだ。
一緒に入って来ると思っていたはじめちゃんは外で待っているらしい。
なんか気を遣わせちゃったかな…。
あたしははじめちゃんに申し訳なく思いながらも息も荒く横たわる2人の傍にしゃがみ込んで、背を向けている2人に口を開いた。
『美雪…空…ごめん。……2人が怪我してるの見て、頭に血がのぼっちゃって。先輩を責めちゃった。だからあの人、責任を感じて助けを呼びに言ったの…』
すると荒々しい息を吐き出した美雪と空がこっちに寝返りをうった。
それに顔を上げてすぐに2人に声をかける。
『2人とも、大丈夫？』
2人は足が痛むのだろう。
辛そうに目を閉じて息を吐きながらも口を開いた。
美雪「遠野先輩ね……っ好きな人がいるんだよ…っ」
『え…？』
空「もう何年も想い続けてる人がいるんだって…っ」
あたしは黙って2人の言葉を待った。
辛そうに息をしながらも懸命に伝えてくれる。
美雪「先輩…いつか言ってた…っ」
空「安心して…？」
『は……なっ、バカ言え!』
安心って……。
2人の言葉に一瞬きょとんとするがすぐに意味を理解してあたしは顔を赤くすると、照れくさくて少し声を上げてそう言った。
2人はクスクスと楽しそうに笑う。
だが、傷に染みるのだろう、すぐに傷口に手を当てて痛いと嘆いた。
『美雪…っ空…っ痛むの!?』
あたしがそう問いかけると「大丈夫」と言って2人は荒い息を吐きながら頷いた。
あたしは少し戸惑ってから2人の額に手を当てる。
汗ばむ2人の額にあたしは手を引っ込めると顔を歪めながら2人を見つめた。
───美雪「先輩を責めないで…っ!わたしたちのせいよ…っ」
───空「私たちの不注意のせいよ…っ」
───『美雪…空…』
胸がズキン、と痛むのは…やっぱ守れなかったからかなぁ。
2人のことは守るって決めてたんだけど。
美雪「そんな顔しないでよ…さーちゃん…っ」
空「そうよ…っ」
『悪かったね、元からこういう顔ですので』
空気を変えるようにそう言うと2人はクスクスと楽しそうに笑った。
あたしも2人の笑顔に微笑む。
とりあえず2人の笑顔が見れて安心した。
そんなあたしたちの姿を扉の隙間から見ていたはじめちゃんと甲田さんは、安堵したように息を吐いたのだった。
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紗菜 - こんばんは、私も金田一シリーズ初代が一番好きで見てました。初代の夢小説って他には見かけないので一気に読み上げました。続き楽しみにしてます、更新がんばって下さい。 (2019年9月22日 0時) (
レス) id: 83af26d21e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきっち
| 作成日時：2019年8月6日 1時
