3話 ページ11
それから数日、あたしと空とはじめちゃんと美雪は私服姿で森の中のバス停に立っていた。
オフショルダーのトップスに短パン姿のあたしの隣ではじめちゃんが荷物を持ちながらキョロキョロと辺りを見回す。
美雪「それにしてもさーちゃんも来れてよかったわね。空ちゃんも」
空「私はAの付き添いだけどね」
『まさか、お父さんに招待状が届いているとは…』
肩からずり落ちそうな斜め掛けのボストンバッグをかけ直す。
そう、あれから美雪とはじめちゃんに一緒に来てほしいと何度もお願いされたが、招待状がないから無理と断って帰った夜、何とお父さん宛に同じ招待状が届いていたのだ。
きっとリゾート地の開発にお母さんが携わったから、家の主人のお父さん宛に来たのだろう。
だが、お父さんは今出版の方に忙しいし、お母さんも会社の方で忙しく行ける状態ではなかったので代わりにあたしが行くことになったのだ。
しかもすでに責任者の方には娘が代理で行くと伝えてあるらしい。
巻き込むのはやめてくれ…。
と思いながら渡された招待状にはペアと書かれてあったので、あたしは行きたがっていた空を誘ったのだ。
これ、お父さんが来るつもりで送ったんだろうから、お母さんも入れてペアって事にしたんだろうなぁ。
一「まさか武内連れてくるとは思わなかったけどな」
空「悪かったわね、金田一君。Aだけじゃなくて」
一「そんな事言ってないだろ!?」
顔を赤くしながら空に言い返すはじめちゃんを空と美雪がニヤニヤと見ている。
美雪、空、あたし、はじめちゃんで横一列に並んでいるのだが、騒ぐなら他所でやって欲しい。と首裏に手を当てながらため息を吐いて視線を地面に落とした。
武内とは空のことだ。
実は空はこの4日間、部活があったのだが、あたしが誘うと「部活なんて関係ないわ!」と言って顧問に適当な理由をつけて休んだらしい。
これ、バレたら絶対こいつ怒られるやつだな。
あたしも行くことになったという周旨を美雪に電話で伝えると彼女は「じゃあ一緒に行きましょう!」と此方が引くぐらいのテンションでそう言ったのだ。
そして当日、はじめちゃんと合流して、あたしたち4人は途中まであたしの家の車でここまで来たというわけだ。
『騒がないで静かに待ってて』
あたしがそう言うと3人は黙り込んだ。
行きたくもない所に連れてこられてあたしの機嫌は最低最悪だ。
まぁ、隣の空は興奮したように鼻歌を歌いながら辺りを見回しているが。
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紗菜 - こんばんは、私も金田一シリーズ初代が一番好きで見てました。初代の夢小説って他には見かけないので一気に読み上げました。続き楽しみにしてます、更新がんばって下さい。 (2019年9月22日 0時) (レス) id: 83af26d21e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2019年8月6日 1時