ひとりじゃない証 【金田一少年の事件簿】初代実写版

16話 ページ17

翌日。
薄汚れたプールから尾之上君の死体が発見された。


一「尾之上…」


浅野「どうして尾之上君まで…」


佐木「また七不思議が関係していますね」



その言葉にあたしは『なに？』と佐木君に視線を向けた。



佐木「七不思議のひとつ。底なしのプールですよ」


一「これも放課後の魔術師の仕業だって言うのか？」


向井「おい!」



この前の刑事さんの声が聞こえてきて、すぐに刑事さんと警部さんがこっちに来た。
あたしたちに「下がれ下がれ!」と言いながら前を通ってプールサイドに引き上げられた尾之上君の死体の元へと向かう。



警部「あぁ…脳挫傷か。ここで殴られてプールに落ちたのか…」



あたしは美雪が袖を掴んでくるのを感じながら尾之上君の死体をじっと見ていた。

あたしたちは真壁君が取材に応じている所を階段の脇から覗きながら見ていると、さっきの警部さんたちが来た。
真壁君は重要な容疑者として警察に連れていかれた。


真壁君が……？



鷹島「…あいつが悪いのよ。あいつのために何でもしてやったのに。小説だって書いてやったのに…っ」



鷹島さんは涙まじりにそう呟くと、走っていってしまった。
あたしと金田一君はそれを見送って顔を見合わせた。


あそこの2人、何かあんのか…？


それからすぐ。
あたしは金田一君と美雪と浅野先生と一緒に学校にある警察の人が使う部屋へと向かった。
そしてガラッとドアを開けて急いで中に入る。



浅野「真壁君…」


向井「今度は何だ？」


一「刑事さん、こいつが何やったって言うんですか？」


浅野「どういうことですか？」



浅野先生がそう問い掛けると、警部さんは俯いて溜息を吐き、「とても残念なことなんですがね…」とあたしたちを見た。



警部「彼が桜樹君と尾之上君を殺害した可能性が…高いんですよ」



あたしは真壁君を見た後、警部さんを見た。



『刑事さん、桜樹先輩が死んでいた科学室の密室の謎はどう説明するんですか？真壁君がどう犯行を行ったっていうんですか!』


警部「……あの部屋は、密室なんかじゃありませんよ」



あたしはその言葉に美雪と金田一君と視線を合わせた。

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