【名探偵コナン】 双子は美少女で名探偵と怪盗!? から紅の恋歌

45話 ページ45

コナン「テレビを見て」

コナンが言うと、テレビにはかるたの取り札がずらりと並んだ画像が映し出された。

コナン「右側は、床に置かれていたため矢島さんの血液が付着した札。そして左側は、キレイな札と後で紛れ込ませたことにより血液が付着した札だよ」

左側の札が全て消え、続いて右側の札も一枚を残して上から一枚ずつ消えていく。

愛梨「そして、血の付き方がかすかな札の歪みなどから判断して、矢島さんが握らされていた札は……」

残った一枚が拡大され、同じ歌の読み札も一緒に表示された。

阿知波「32番、春道列樹……」

阿知波が歌人の名前をつぶやく。

平蔵「『山がはに 風のかけたる しらがらみは 流れもあへぬ 紅葉なりけり』……」

歌を読み上げた平蔵は、『紅葉』のところで目を見開いた。

平次「やっぱり、矢島さんのところにも名頃の得意札があったんや」

平次が振り返ると、愛梨はスマホを操作して画像を切り替えた。
画面が縦横に四分割され、読み札と取り札のセットが四組現れた。

愛梨「これを見て。今まで反抗に使われた札だよ。左上から日売テレビ、矢島さん、関根さん、そしてさっき判明した紅葉さん。これらの札は共通して『紅葉』が読み込まれてる」


日売テレビ 《奥山に 紅葉ふみ分け なく鹿の 聲きく時ぞ 秋は悲しき》
矢島 《山がほに 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ 紅葉なりけり》
関根 《此の度は 幣もとりあへず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに》
紅葉 《嵐ふく 三室の山の もみぢ葉は 龍田の川の 錦なりけり》


遠山「やはり、全てが名頃の得意札っちゅうわけか……」

四組の札を読んだ遠山が言うと、平蔵が「うむ」と険しい表情でうなずいた。

平蔵「真犯人は、名頃鹿雄とみて間違いなさそうやな!!」





会議が終わり、コナン、愛梨、平次、阿知波は大阪府警の正面玄関から出て来た。

阿知波「まさかとは思うとったが……ホンマに名頃の仕業やったとは……」

肩を落とす阿知波の背後で、平次は口を開いた。

平次「心配なんは、一回も逃したことのない紅葉の情景を詠った札が、全部で六枚もあるっちゅうことやな」

阿知波「どういうことや？」

驚いた阿知波が振り返る。

コナン「まだ2枚残ってるってことだよ」

コナンの言葉に、阿知波は「えっ!?」と目を丸くした。

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