【名探偵コナン】 双子は美少女で名探偵と怪盗!? から紅の恋歌

38話 ページ38

コナン「競技場内は、空調システムによって温度湿度共に絶えず一定に保たれ、建物を取り囲む防音壁は外部の音を完全にシャットアウトする、最新システムが取り入れられてるそうだ……」

平次「まさにかるたのためだけに造られた、最高の競技会場っちゅうわけやな……」

建物の最上階に位置する皐月堂は、かるた競技者が目指す、まさに最高峰ともいえる場所だった。





歩行者用の信号が青に変わり、二人はホテルの前の横断歩道を渡った。
すると、バイクに乗った平次が左から現れて停まった。

コナン「阿知波さんと関根は？」

平次「どうやらこの後、競技会場の阿知波会館に行って明日のリハーサルを行うらしい。移動中は警察の護衛が付くさかい、心配なさそうやけど、問題はやっぱり阿知波会館に入ってからやな」

愛梨「紅葉さんは？」

平次「安心せい。アイツん家も京都やから、みんな揃っての移動や」

平次が差し伸べた手につかまってバイクに乗ろうとすると、ポケットのスマホが震えた。
灰原からだ。

愛梨「ごめん、電話だ」

愛梨はスマホの応答ボタンをタップした。





灰原は自分の部屋のパソコンを操作しながら、デスクに置いたスマホで愛梨に電話をかけていた。

哀「あなたに頼まれた例の写真の男、身元がわかったわよ」

愛梨『本当!?』

哀「ええ。ちょっと驚く内容よ」

灰原はそう言うと、モニターに表示されたデータをメールで送信した。

哀「詳細はメールで送ったから、後で確認して」

愛梨『ありがとう!それと、かるた札の方はどうなっている？』

哀「さっき解析ソフトに移行したところよ」

モニターでは、灰原が補正した画像データが阿笠博士の解析ソフトにかけられているところだった。

哀「さすが博士ね。早かれば一時間後には握られれていた札を探し出せそうよ」

愛梨『よし!そっちの方も解析が終わったらすぐに知らせて!』

哀「ええ。それより───」

灰原が言い終わらないうちに、電話が切れた。

哀「……まったく!」

相変わらず自分の用件が済んだらさっさと切るんだから───灰原がため息をついて、椅子の背もたれに寄りかかった。





電話を切った愛梨は、すぐに灰原のメールに添付されたファイルを開いた。
スマホの画面には、紅葉のパスケースに入っていた写真の男のデータが表示された。

愛梨「名頃鹿雄……」

男の名前を読み上げた愛梨は、画面をスクロールさせて、男の経歴に目を通した。

愛梨「!!」

灰原が言うとおり、それは驚く内容だった。

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