【名探偵コナン】 双子は美少女で名探偵と怪盗!? から紅の恋歌

28話 ページ28

愛梨はテレビ台の中にあったDVDプレイヤーのイジェクトボタンを押した。
ディスクトレイが開いてDVDが出て来る。

愛梨「『第15回〜20回 高校生皐月杯争奪戦』……」

愛梨はDVDに書かれていた文字を読み上げた。

コナン「矢島さんはなぜこの映像を……」

二人が考え込んでいると、部屋に入ってきた阿知波がDVDを覗き込んだ。

阿知波「決勝戦ともなれば相当ハイレベルになるからなぁ。技の駆け引きから札の並び方まで、見るだけでも参考になることが多いんや。殺人事件とは関係ないんとちゃうかな」

コナン「え、でも……」

コナンが言いかけたとき、いきなり背後から小五郎に襟をつかまれた。

小五郎「でもでもってうるせぇんだよ!ほらっ、お前らも来い!!」

コナン「うわっ!」

平次「ちょっ、おっちゃん!」

愛梨「わわっ!」

小五郎「探偵ごっこはおしまいだ!どうもみなさんお騒がせしました」

平次の首と愛梨の襟をガッチリつかんだ小五郎は、三人を引き摺って出て行った。
残された阿知波は、足元に倒れている矢島の遺体を見下ろすと、悲し気な顔で小さく息をついた。
やがて鑑識員は遺体にシートをかけ始めた。





東京都米花市・阿笠邸───。
阿笠博士はリビングのソファに灰原と向かい合って座り、テレビを見ていた。

『続いてニュースです。本日午後1時ごろ、大阪府大阪市の日売テレビで大きな爆発が起こり……』

阿笠「またこのニュースか……心配じゃのぉ……」

阿笠博士が不安げに呟くと、ノートパソコンを開いていた灰原がリモコンでテレビを消した。

阿笠「あ!哀君、なんで消してしまうんじゃ!?」

哀「このニュースが流れる度に心配してたら、身がもたないわよ」

阿笠「しかし……」

哀「子供たちとは連絡取れたんでしょ？」

阿笠「じゃが、新一とA君からの折り返しが来とらんのじゃ」

すると、灰原のポケットでスマホが震えた。

哀「ほら、噂をすればよ」

スマホを取り出して、『黒瀬愛梨』と表示された着信画面を見せる。

阿笠「おぉ、後で代わってくれ」

灰原はうなずいて、応答ボタンをタップした。

哀「あなたねぇ、連絡もよこさないで一体何してたの？博士、ものすごく心配してるわよ」

愛梨『ごめんごめん。こっちもいろいろ大変でね』

哀「で、用件は何？」

愛梨『さっき、哀のパソコンに新一が写真送ったんだけど、その写真に写ってるかるたを調べてほしいの』

灰原はメールソフトを起動してコナンからのメールを開いた。

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