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第42話 ページ44

『ハク…ちょっと、何す…』

「静かに」


そう言ったハクに、A達は目を向ける。


「足音…40…いや50か」

「追手ね」

「『!!』」


ハクとカナの言葉にAとヨナは目を見開いた。
カナはヨナを引き寄せてハクとAに近づく。


「もう追う気がねーのかと思ったけど、こりゃまた気合いの入った数だな」

「あ〜あ、休めると思ったのに」


―――追手って王の兵?それとも…―――


ぎゅっと外套を握りしめるとハクが「姫様」とAを呼んだ。
Aを軽く引き寄せると外套のフードをがぽっと被せる。


「やっぱくるまって寝るんなら、もーちょい抱き心地良くないといたずらする気も起きないですよ」

『何の話だ、何の』


そう言ってひょーいっとAから逃げるハクを追いかけるA。
それを追いかけるカナとヨナ。
しばらく進んだところに行くと、


「さてと」


カナの言葉を合図に、ハクとカナはAとヨナを庇うように後ろに回した。


「準備運動もしましたし、働きましょーか」


そう言って2人が見上げる先には大勢の兵たちの姿。
2人は大刀と槍を構えた。


「「離れないで下さいよ、お姫様」」


カラン、と石ころが崖を転がるとワアアとたくさんの兵たちが崖を降りてきた。
そして武器を構えてハクたちに向かっていく。
ハクとカナはニイッと笑うと大刀と槍を一振りした。



ゴォォッ



一瞬で周りの兵たちがバタバタと倒れていく。


―――スウォンがいつか言っていた―――



ーーー《ハクとカナの技は稲妻みたいなんです。本気で闘えば私はきっとこてんこてんですよ〜〜》ーーー



―――こんな時に、あなたの顔を思い出す―――


「やっぱりあんたたちだったのね」

「火の部族」

「雷獣と黒豹は健在だな、ソン・ハク将軍、カナ。そしてA姫とヨナ姫」


テジュンはフードのとれた2人の姿を視界に入れると自身の手を見つめた。


「火の部族、カン・テジュン。この時を待ちわびていましたよ」


そう言ってテジュンが4人を見ると。


「見てください、姫様方」

「自然がいっぱいだ」


そう言って4人で森を見ていた。


「ハク将軍を…ってええーーーーっ」


と声を上げるテジュン。


「なぜ…っ私が話しかけてる最中に自然を満喫するのだ…っ」

「おお。何だ、俺に話しかけてたのか」


A達は立ち上がった。


「俺は今、将軍でも“ソン”でもないんで、すみませんねどうも」

「いや、そんな。わかってもらえれば良いのだ……って」

第43話→←第41話 「咆哮」



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ムーミン一家 - 暁のヨナ、私も最近ファンになりました!面白いですよね〜ちなみに私はジェハ押しです。これからも頑張って下さい! (2018年7月21日 23時) (レス) id: 8c840e0186 (このIDを非表示/違反報告)
鈴木美妃(プロフ) - ファンになりました。早く続きが読みたいです。これからも更新楽しみにしてます。頑張って下さい。応援します。 (2018年7月7日 19時) (レス) id: 6d5e66c80d (このIDを非表示/違反報告)
ルイナ(プロフ) - 待ってました!更新これからも頑張ってください♪ (2018年7月6日 18時) (レス) id: 29bcf3ece3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さきっち | 作成日時:2018年7月6日 17時

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