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第39話 ページ41

その声にハクが振り返ると、Aがいた。


『私、ここを出る。

一緒に来なさい』


そう言ったAにハクは目を見開くが自身を見つめるAの瞳に軽く笑うと、腰に手を当てた。


「…何だって?」

『ここを出るの。ここにいたら風牙の都を争いに巻き込んでしまう』

「……帰れ。

長老にはその旨伝えてある。もうここは大丈夫だ。あんたはここで静かに暮らせ」

『ハクは?行くのを許した覚えはないわ』

「許すも許さねェも、もう俺は将軍じゃねえし、あんたの従者でもない。
これから自由の旅に出ようってのに、あんたの面倒まで見る義理ねェな」


その時、カナとヨナが門のところで寝たふりをしているテウの元に駆け付けた。
カナはいつもの動きやすい格好に、槍まで持っているということはここを出るつもりなのだろう。
そしてそれはヨナも同じ…。


「あんたが静かにしてればスウォンも手出しはしない」


カナたちが来たことに気付いていないハクはそう言うとザッと踵を返した。
だが、その前にAが両手を広げて立ちはだかる。


「…どけ」

『もう決めたの』

「どう思おうが俺は連れて行かない」

『………』


それでもAはハクの前から退かない。
そんなAをハラハラした面持ちで見るヨナと静かに2人を見つめるカナ。


「…じゃあ、金は?
金はあるのか?
これから先、一緒に行くならどうしたって俺はあんたを守らなきゃならない。今のあんたに俺の働きに見合う金を払う事が出来るかって聞いてんだよ。

ああ、それとも」


ガッとAの手首をつかんで引き寄せる。


「体で払うか?」


2人の視線が交錯した。


『…あげられるものなんて何もないわ』

「物分かりがいいな。さあ戻れ」


そう言ってぱっとAの手を離す。


「さようなら、A姫」


そう言ったハクにAは目を見開くとハクの服を摑んで引き寄せた。


『でも、お前が欲しいもの。

私にハクをちょうだい』


その言葉に目を見開くハク。
じっと自分を見上げる紫の瞳にハクは視線を逸らすとへにゃりとしゃがみ込んだ。


「なんだそりゃ…あんた…すっげワガママ。
あーあ…くそ。ムカつく…
これだから………」


不思議そうにハクを見つめるAを見上げてハクは仕方なさそうに笑った。


「…あんたの勝ちです、姫様」


その言葉にAが嬉しそうに笑みを浮かべると後ろから禍々しい声が聞こえた。


「…ハ…ク…」

「げっじじい、カナ」

『ムンドク、カナ、ヨナ!』

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ムーミン一家 - 暁のヨナ、私も最近ファンになりました!面白いですよね〜ちなみに私はジェハ押しです。これからも頑張って下さい! (2018年7月21日 23時) (レス) id: 8c840e0186 (このIDを非表示/違反報告)
鈴木美妃(プロフ) - ファンになりました。早く続きが読みたいです。これからも更新楽しみにしてます。頑張って下さい。応援します。 (2018年7月7日 19時) (レス) id: 6d5e66c80d (このIDを非表示/違反報告)
ルイナ(プロフ) - 待ってました!更新これからも頑張ってください♪ (2018年7月6日 18時) (レス) id: 29bcf3ece3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さきっち | 作成日時:2018年7月6日 17時

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