6・パワハラ上司?! ページ6
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月曜日、いよいよ秘書室への勤務初日だ。いつもよりきちんとメイクをしてスーツを身に着けた。硝子には少しずつ揃えていけばいいよ、と言われたのでひとまずは手持ちの一番綺麗な物を選んだ。
ヒールのあるパンプスを履きいつものオフィス街を歩いているだけなのに何だか気分が高揚した。つくづく自分は単純だなと思ったり。
役員専用エレベーターで執務室階へ。週のはじめは全体ミーティングがあると聞いていたので早目に出勤して会議室の準備をした。
各役員の秘書達も一週間の予定を把握する為に出席するそうで、少し緊張しながら硝子の後を着いていき、部屋の後方で待機していた。
会議室の扉が開き、たくさんの役員の方々が入室してきた。その中に当然ながら夏油専務もいたので惰性でそのまま目で追った。なんとなく昨日の彼との違和感を感じた。
会議はたんたんと進む。初めて足を踏み入れた世界だ、聞いたことのない単語ばかりで内容は全くと言っていいほど理解できないが、必死にメモを取った。そして、さっきから感じていた違和感の正体がわかった。
夏油さんが笑ってない。というか機嫌が悪い、いやむしろ怒ってる?
黙っているのにあの黒いオーラはなんだ。明らかにイラついてる。専務が指摘した事に明確に答えられない人に対しては容赦なくぶった斬っている。怖‥。睨まないであげてよ、声震えてんじゃん、営業部長さん。
専務が口を開くたびピリピリした空気が漂い、吐きそうな緊張感のまま会議は終わった‥
毎週これは勘弁して欲しいな、と早くも折れそうな心で同僚の秘書さん達と会議室の片付けをしていると専務が顔を出したが
『青山さん、こんな所で何をしているんですか。打ち合わせをするので戻りなさい』
それだけ告げると返事をする間も与えられず
バタン__とドアが閉まった。布巾をもったまま固まる私を皆が憐れみの目で見ていた。え‥と固まる私は、早く行ったほうがいいんじゃない?という同僚の声で我に返り、慌てて専務室へ走った。
ヤバい。初日からやばい。既に怒っている人の所に怒られに行くの本当に嫌なんですけど。勤務初日なんだけどなー、なんていう甘えはああゆう人には通じないんだろうな、と半ば諦めの気持ちで専務室のドアをノックした。
「青山です」
『入って』
絶対零度の声色ですね専務、わかってましたけど。フゥーと息を吐き唇をキュと結んだ。
「失礼します」
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すみっことかげ(プロフ) - 歯磨き子さん» コメントありがとうございます!嬉しいです☆お、ここにも夏油さん推しがいらっしゃいましたか!!かっこいいですよねぇ本当! (2021年10月1日 16時) (レス) @page48 id: 836ec41816 (このIDを非表示/違反報告)
歯磨き子 - キュンキュンしすぎて・・・ありがとうございます。夏油推しには最高です、夏油様どこにいるんでしょうか() (2021年10月1日 16時) (レス) @page48 id: 0d41b786f3 (このIDを非表示/違反報告)
すみっことかげ(プロフ) - こんぶさん» コメントありがとうございます!夢主ちゃんばりに驚いてもらえましたかね?面白いと言ってくださり嬉しいです!何故こんなおかしな事になってるのか、次話で明らかになるのでお楽しみに!! (2021年9月26日 7時) (レス) id: 836ec41816 (このIDを非表示/違反報告)
こんぶ - NYの新事実に目玉が飛び出る所でしたw私もニューヨークだと思っていたので。本当に面白いです(*^^*) (2021年9月26日 3時) (レス) @page44 id: 7f18273dc2 (このIDを非表示/違反報告)
すみっことかげ(プロフ) - しゅーくりーむさん» コメントありがとうございます!わあ!そう言っていただけて嬉しすぎます!夏油さんかっこいいですよね、やばいですよね。理想を崩さないように頑張って書きますね!! (2021年9月23日 8時) (レス) id: 836ec41816 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すみっことかげ | 作成日時:2021年8月12日 16時