44・決壊 ページ44
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「あの人の所に行くんですよね?」
『‥え?』
「だから私は邪魔なんですよね?」
『待って、何言ってるの?』
「自分で考えたらどうなんですか!」
自分でも驚くような大きな声に夏油さんもびっくりした顔で見てくる。
けどもう、止められない‥
「わたし、聞いたんです。伊地知さん戻って
来られるって‥。だから私は夏油さんの秘書から
外されるはずだって」
『え‥?!』
「それに、もうこの際なんで言いますけど
その書類、見ちゃったんです」
『えっ、あれ見たの?!』
「ニューヨーク支社に‥
夏油さん、行くんですよね?
さっきの人、支社の人ですか?
すごく仲良さそうだったし
そのっ、ハグ、とか。‥キスも」
『ニューヨーク‥』
「私が置いて行かれる理由は、先程の様子で
もう理解してます。でも、秘書を外される
事も、ニューヨークに行かれる事も、
どうして教えてくれないんですか‥?」
声が震えるのを必死に堪えた
『あの、その話なんだけど、』
「ある日突然夏油さんが居なくなるなんて、
嫌です。せめて、いつ発つのかだけでも教えて
もらえませんか。
このままだと、わたし、いつまで経っても
夏油さんの事‥‥っ、」
堪えきれずにポロッと溢れる涙。
頬を伝う一粒の雫はやがて一筋の線となり、
スーツの胸元を静かに濡らした
顔を見られたくなくて俯くと余計に溢れ出る涙。何も言わない夏油さんは何を考えているのだろう、でもフランクな関係を求めるであろう彼には、こんなの重いはず。
『困ったな、可愛すぎるんだけど』
「‥‥‥‥‥‥はぁ?」
この状況でまだはぐらかすつもり?
こんなに私の気持ちを引っ掻き回しておいて。
それでも、
こんな仕打ちをされても尚、私は‥
至って真剣な表情のままの夏油さんは
うーん、と顎に手をやり私を見つめていて
『色々と聞きたいことはあるんだけど、
まずニューヨークって、‥‥なに?』
整ったお顔がコテンと傾く。スッと通る鼻筋が綺麗だなぁ、なんて考えてる場合じゃない
「なにって、その書類‥。NYって‥‥」
嗚呼、と引き出しを漁りガサゴソと出てくる紙。なんでそんなグシャグシャなの、と書類に目を落とす夏油さんを見ていると
『これ、二枚目ちゃんと見た?NYって
[
「‥‥は、‥‥い?!」
(ありえない話ですが批判はお待ちいただければ)笑.
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すみっことかげ(プロフ) - 歯磨き子さん» コメントありがとうございます!嬉しいです☆お、ここにも夏油さん推しがいらっしゃいましたか!!かっこいいですよねぇ本当! (2021年10月1日 16時) (レス) @page48 id: 836ec41816 (このIDを非表示/違反報告)
歯磨き子 - キュンキュンしすぎて・・・ありがとうございます。夏油推しには最高です、夏油様どこにいるんでしょうか() (2021年10月1日 16時) (レス) @page48 id: 0d41b786f3 (このIDを非表示/違反報告)
すみっことかげ(プロフ) - こんぶさん» コメントありがとうございます!夢主ちゃんばりに驚いてもらえましたかね?面白いと言ってくださり嬉しいです!何故こんなおかしな事になってるのか、次話で明らかになるのでお楽しみに!! (2021年9月26日 7時) (レス) id: 836ec41816 (このIDを非表示/違反報告)
こんぶ - NYの新事実に目玉が飛び出る所でしたw私もニューヨークだと思っていたので。本当に面白いです(*^^*) (2021年9月26日 3時) (レス) @page44 id: 7f18273dc2 (このIDを非表示/違反報告)
すみっことかげ(プロフ) - しゅーくりーむさん» コメントありがとうございます!わあ!そう言っていただけて嬉しすぎます!夏油さんかっこいいですよね、やばいですよね。理想を崩さないように頑張って書きますね!! (2021年9月23日 8時) (レス) id: 836ec41816 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すみっことかげ | 作成日時:2021年8月12日 16時