35・ご主人さまの匂い ページ35
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言ってしまった。そして酷く後悔する。
前途多難な未来しか無いってわかっている人を好きになった私がいけないんだ、なんて考えてみても
破天荒な中に見え隠れする実直さや優しさを知ってしまったが最後、気づけば私は彼の沼にどっぷりハマってしまっていて、抜け出すなんてもう無理だった
『ふふ、よく言えました』
正解、と言わんばかりの笑顔。顔にかかる髪を耳にかけられ耳朶をスリ、と撫でられる
「っっ//」
『真っ赤。可愛い』
この甘い空気、ダメなやつだ‥
『ふふ、素直ないい子にはご褒美あげなきゃ。そうだな、ハグしていい？』
「そういうのはペットのワンコにでもしてください」
『ん〜Aは犬よりは猫っぽいよね‥』
「真面目な顔して何言ってるんですか」
二人きりでいる事には慣れてるはずなのにこんなに心臓がやかましいのはきっと
ここが見知った土地ではなく、少しのお酒と背後にある大きなベッドのせいにしておく。
「まだあの人の香水の匂いしますよ」
この雰囲気を変えたかっただけなのに
『飼い主に他の匂いがつくのが嫌かい？』
「っっ、」
図星だった。いつもなら反抗するのに今は夏油さんの匂いに上書きされてしまったみたいで‥つい本音が口からこぼれ落ちた
「嫌ですよ‥」
『どうしたのA』
驚いた後、そっかそっかと柔らかな眼差しを向けられどうにも居心地が悪い私は、立ち上がり夏油さんの手を引っ張った
「もう！いいからとりあえずシャワー浴びて匂いを落としてきてくださいっ！」
『ふふっ、わかったわかった』
バスルームに彼を押し込みながら、その大きな背中にぽす、と頭を押しつけてみた。なんでかわからないけど、そうしたくなった。
『‥‥Aっ？！』
「行きの新幹線で私言いましたよね？夏油さんがピンチの時は、私が助けるって。
その約束守っただけですから、さっき私が言った事は忘れてくださいっ！」
***
バタンっと閉じられたドアの向こうで悶絶する男が一人‥
『なにいまのツンデレ‥』
アクシデントとは言え、Aの気持ちを少しだけ知る事が出来た夏油。
『ん〜今夜大丈夫かな‥』
熱いシャワーを頭から浴びながら、
ほわほわと膨らむ雑念も一緒にあらい流した
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すみっことかげ(プロフ) - 歯磨き子さん» コメントありがとうございます！嬉しいです☆お、ここにも夏油さん推しがいらっしゃいましたか！！かっこいいですよねぇ本当！ (2021年10月1日 16時) (
レス) @page48 id: 836ec41816 (このIDを非表示/違反報告)
歯磨き子 - キュンキュンしすぎて・・・ありがとうございます。夏油推しには最高です、夏油様どこにいるんでしょうか（） (2021年10月1日 16時) (レス) @page48 id: 0d41b786f3 (このIDを非表示/違反報告)
すみっことかげ(プロフ) - こんぶさん» コメントありがとうございます！夢主ちゃんばりに驚いてもらえましたかね？面白いと言ってくださり嬉しいです！何故こんなおかしな事になってるのか、次話で明らかになるのでお楽しみに！！ (2021年9月26日 7時) (レス) id: 836ec41816 (このIDを非表示/違反報告)
こんぶ - NYの新事実に目玉が飛び出る所でしたw私もニューヨークだと思っていたので。本当に面白いです(*^^*) (2021年9月26日 3時) (レス) @page44 id: 7f18273dc2 (このIDを非表示/違反報告)
すみっことかげ(プロフ) - しゅーくりーむさん» コメントありがとうございます！わあ！そう言っていただけて嬉しすぎます！夏油さんかっこいいですよね、やばいですよね。理想を崩さないように頑張って書きますね！！ (2021年9月23日 8時) (レス) id: 836ec41816 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すみっことかげ
| 作成日時：2021年8月12日 16時
