25・マスク必須案件 ページ25
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すっかり登った太陽が射し込む。ばち、と目を覚ました私が見たのは見慣れない天井‥‥
ではなく見慣れた自室の天井だった。
気怠い身体にとりあえず水分を、と冷蔵庫から水を取り出し乾いた喉に流し込む。
試しに目を閉じてみる‥あぁ駄目だ、出て来ないでよ夏油さん。いくら飲んでも記憶を飛ばした事のない私はもちろん昨日の事もばっちり覚えてる訳で
「悪ふざけがすぎる‥」
夏油さん基本はまともなんだけど、たまにトチ狂った行動するし、人のこと自分のペットみたいに扱うんだよな。
首輪つけるって言った時の目とか割とマジだったんだよ‥どこまでが冗談なのかわからん。
(キスはダメだよ‥)
キスした理由教えてくれなかった。真面目な顔で許してないとも言ってた。もう訳わかんない‥
なんども蘇る夏油さんの顔。ヒールを履いたのに見上げるほど上背があって、ゆっくり近づいてくる整った顔。薄い唇は柔らかくて温かくてそれから‥‥って
(っ//あーもう!ばか野郎‥)
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月曜日、マスクを装着していざ出勤。
『どうしたの?それ』
「近くにキス魔がいるんです」
『うわぁ、危ないね』
「はい危ないんです。ですので近寄らないでください」
『ふふっ、意識してくれたんだ?』
「っ、してません!」
キュ、と弧を描く唇についつい目が行き慌てて逸らす。余裕だなぁおい!てんぱってんの私だけじゃん‥
もうしないからマスク外してよ、と強引にマスクをひっぺがし、うん可愛い、なんて言う彼のあしらい方がまるでわからない。
それから彼の宣言通り、私は彼の執務室から用事がない限り出してもらえなくなった。
夏油さんの視線が刺さる。私の事見てないで仕事してもらいたいです、切実に。
私は無心でキーボードを叩いた。
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そろそろ終業時刻という頃、廊下の方が騒がしくなる。私は少し出てくると言って出ていった夏油さんの帰りを待っていた。
突如ガチャと開くドア。あ、帰ってきたと思いそちらを見ると
『おーい傑ー、こないだの件さ___』
夏油さんと同じか、それ以上ありそうな位高身長の白髪の男性が、蒼い瞳をまん丸見開き立っていた
『あ?お前、だれ?』
「え、あ、専務の秘書の青山です。はじめまして」
『はぁーん、お前が例の?‥』
いや、誰?専務の事、傑って言ってた。友達?がこんな所来るわけないし‥
『あ、俺?五条悟、副社長』
あ〜、へ〜、なんだ副社長か〜
っっ副社長?!?!
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すみっことかげ(プロフ) - 歯磨き子さん» コメントありがとうございます!嬉しいです☆お、ここにも夏油さん推しがいらっしゃいましたか!!かっこいいですよねぇ本当! (2021年10月1日 16時) (レス) @page48 id: 836ec41816 (このIDを非表示/違反報告)
歯磨き子 - キュンキュンしすぎて・・・ありがとうございます。夏油推しには最高です、夏油様どこにいるんでしょうか() (2021年10月1日 16時) (レス) @page48 id: 0d41b786f3 (このIDを非表示/違反報告)
すみっことかげ(プロフ) - こんぶさん» コメントありがとうございます!夢主ちゃんばりに驚いてもらえましたかね?面白いと言ってくださり嬉しいです!何故こんなおかしな事になってるのか、次話で明らかになるのでお楽しみに!! (2021年9月26日 7時) (レス) id: 836ec41816 (このIDを非表示/違反報告)
こんぶ - NYの新事実に目玉が飛び出る所でしたw私もニューヨークだと思っていたので。本当に面白いです(*^^*) (2021年9月26日 3時) (レス) @page44 id: 7f18273dc2 (このIDを非表示/違反報告)
すみっことかげ(プロフ) - しゅーくりーむさん» コメントありがとうございます!わあ!そう言っていただけて嬉しすぎます!夏油さんかっこいいですよね、やばいですよね。理想を崩さないように頑張って書きますね!! (2021年9月23日 8時) (レス) id: 836ec41816 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すみっことかげ | 作成日時:2021年8月12日 16時