家入硝子 ページ8
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「あ、見つけた」
『…?』
部屋の扉は開けたままなので、そのまま真っ直ぐ廊下の方を見ると、一人の女性が立っていた。
「げっ、硝子じゃん」
「はぁ…わざわざ要件を伝えに来てやったのに失礼な奴だな」
…第一印象は、美しい人。
硝子という女の人は私達を見たあと、ヒールを鳴らし、
髪をなびかせて玄関まで入ってくると、靴を脱ぎながら言った。
「オマエ、報告書まだ書いてないだろ」
「めんどくさいし、あとでいいじゃん」
「伊地知が困ってたから、早く提出してやれ。」
「えぇ〜〜??」
2人の他愛もない会話も、右耳から左耳へと消えてしまう。
この人も…懐かしい…と思ってしまったから。
しかも、何度も会ったことあるような…?
”「A」”
今、私の名前…。
そう思ったけれど、彼女が兄の上で横になったままの私の顔を、
しゃがんで覗き込んできたので、ハッと我に返る。
フッと微笑まれて、私は思わず目を丸くさせた。
流れる長いブラウンの髪。白い肌…故に少し目立つクマ。
目元のホクロ。全てが怪しげな雰囲気で綺麗な彼女を演出させている。
『……美人さんだ…』
私はつい口を滑らせてしまった。
けれど彼女は少し驚いただけで、私のことをからかうことは無かった。
「ふはっ。…はじめまして?」
『あ!はっ、初めまして…!』
横になったままでは駄目だ、と急いで身体を起こす。
さっきまでボーッとしてたから気づいてなかったけど、
この人、白衣着てる…。医療関係の人なんだろうなと思いながら、彼女に話しかける。
『…あの、お姉さんのお名前は?』
ぎこちなく聞くと、「あぁ、まだ言ってなかったな」
と言いながら立ち上がり、腰に手を当てて言った。
「_私は、家入硝子。
此処の高専で、医師を担当している」
「君は?」と聞かれ、私も直ぐに応えた
『五条Aです』
「ん。よろしくな、A」
『よろしくお願いします!』
微笑みを交わす。でも硝子さんは私の顔をじっと見つめたままだった。
私もなんとなく目を合わせていたとき、「にしても…」と
硝子さんの手がこちらへ伸びる。
「Aの肌は凄く綺麗だな。」
『えっ』
ずいっと近づかれたと思ったら、頬を撫でられた。
硝子さんの顔が近くて、自然と熱が顔に集まる。
両手で顔を包まれているから、
目を背けたくても出来ないのでぎゅっと目を瞑っていると…。
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舞(プロフ) - 更新頑張ってください^_^ 応援してます٩( ᐛ )و (7月8日 15時) (レス) @page33 id: 17ec247796 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 絵がうますぎます! (6月8日 6時) (レス) id: a64b7436ba (このIDを非表示/違反報告)
松野星月(プロフ) - 続き楽しみ!早くみたい (2022年12月30日 12時) (レス) @page37 id: 7e5eb61c5c (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - 最後不意打ちでナナミンの「シスコンはクソだ…」にまじで吹いてしまいましたwww笑いを提供してくれてありがとうございます! (2021年12月28日 22時) (レス) @page48 id: dd9bdc737b (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - ariaさん» 笑ってもらえて良かったです!笑笑 (2021年4月7日 22時) (レス) id: 6023f727dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:saya20071025 | 作成日時:2021年1月21日 20時