紅一点…? ページ27
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作り笑顔をしたスカウトマンが、少女に話しかける。
『…なんですか?』
少女が振り返った。白いロングヘアが揺れ、全てを見透かすような碧い瞳が男を見つめた。
少女は紛れもなく、集合時間までに原宿を満喫しようとする五条Aだった。現に、タピオカミルクティーと特盛クレープを手に持っている。
「自分、こういう者なんですけど。お姉さんモデルの仕事とか興味無い?」
『急いでるので』
営業スマイルという仮面をつけてグイグイとくる男を冷たくあしらうA。
家に媚びを売りに来ていた人達とそっくりだ、と胸糞悪くなっていると、男の勧めはエスカレートする
「君ほどの美人は中々いないし、モデルになったら絶対売れるよ!どうかな!?」
『……』
フルシカト。
この少女は、兄と高専関係者以外の人(特に男性)には少々態度が雑になるところがある。本人は兄譲りと適当を言っていたが。
「青い瞳はカラコンかな?白い髪も!自分に似合うものを知ってるなんて才能あるよ!?」
『…ふふっごめんなさい、失礼します』
作りものとはいえ、Aの極められた笑顔には流石のスカウトマンも敵わなかったのか、その場に立ち尽くして見惚れていた
彼女は「からこん?何それ、知らない単語使って喋ってこないで。髪は地毛だってば!ばか!」と荒れすさんだ心の機嫌をとるようにクレープを頬張る
ちなみに、この少女は幼い頃から娯楽を禁止されていたため、別の意味で教養がない
一方、先刻の光景を全て見ていた別の少女が、ガシッとスカウトマンの肩を掴んだ
「ちょっとアンタ。私は?」
「…ワタシハ…??」
「モデルよモデル。私はどうだって聞いてんの」
あんなにグイグイ迫っていたスカウトマンも、
「いえ、今急いでいるので…」と、バツが悪そうに去ろうとするが、後ろの襟を掴まれ、少女のなんとも言えない圧に追いやられる。
逃げることも出来ず、スカウトマンは先程声をかけたAに助けを求めた
「そっ、そこの美人さんっ!助けてぇっ!!」
『えぇ…?』
「無視すんな」
「…俺たち今からあれに話しかけんの〜?」
ちょっと恥ずかしいな〜と、派手なグラサンにクレープとポップコーンを抱えて、顔を顰める虎杖
「おめェもだよ」
「あ、おーい!こっちこっち!」
2人は五条の声に気づき、3人のもとへ集合した
「そんじゃ、改めて。」
「釘崎野薔薇。喜べ男子
__紅一点…、よ…?」
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舞(プロフ) - 更新頑張ってください^_^ 応援してます٩( ᐛ )و (7月8日 15時) (レス) @page33 id: 17ec247796 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 絵がうますぎます! (6月8日 6時) (レス) id: a64b7436ba (このIDを非表示/違反報告)
松野星月(プロフ) - 続き楽しみ!早くみたい (2022年12月30日 12時) (レス) @page37 id: 7e5eb61c5c (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - 最後不意打ちでナナミンの「シスコンはクソだ…」にまじで吹いてしまいましたwww笑いを提供してくれてありがとうございます! (2021年12月28日 22時) (レス) @page48 id: dd9bdc737b (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - ariaさん» 笑ってもらえて良かったです!笑笑 (2021年4月7日 22時) (レス) id: 6023f727dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:saya20071025 | 作成日時:2021年1月21日 20時