【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス IV (ページ7)

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152話ページ7

多くの人間がいるとは思えないほどにグラウンドが静寂に包まれる。着地した水城はふらりとバランスを崩して膝をつくが、腰の横で大きく、力強くガッツポーズをしたことで喧騒が息を吹き返した。

「ごっ…ゴォオオ──────ル!!!!水城の渾身のシュートは、デザームのドリルスマッシャーを打ち破り見事にゴールに突き刺さったあ──────っ!!!!」

「一青────っ!!」

「やったぞ!!先制点だ!!」

雷門イレブンが弾かれたように駆け出し水城のもとへ。ついにへたり込んでしまった水城に塔子は両手を差し出した。

「って、ハイタッチじゃないよ一青!いやいいけどさ!!」

『え、違った…?』

「一青、立てるか」

『……ちょっと、しばらくは駄目みたい』

立ち上がらせようと差し出した両手を力なく叩いただけの水城。はっとして塔子が突っ込んだところ、本気でハイタッチだと思っていたらしい。鬼道が冷静に尋ねれば、水城は力が入らず震える自身の足を見ると眉尻を下げながら笑って返した。

「選手交代よ目金君、水城さんと代わってちょうだい」

「は、はい…!」

足が使いものにならなくなった水城が綱海に背負われてベンチに戻ってくる。身長的な問題で綱海が背負うのが一番良かったのだ。疲れてるのにごめんね、と謝る水城に「気にすんな!しっかり休んどけよ!!」と頭を撫で回し歯を見せて綱海は笑った。

「一青が取ってくれたこの1点…なんとしてでも守ってみせる!!」

円堂が自身の頬を強く叩き決意する。他のメンバーも気を緩めずに、気合を入れ直した。

『…ねえ吹雪君。私、頑張れたよ。吹雪君の分も、戦ったから』

吹雪への思いがあったからこそ、あのシュートは決まったのだろうと水城は考える。隣に座る、顔に影を落とした吹雪の手に手を重ね、返事はなくてもよかったのだろう、独り言のようにそうこぼす。吹雪が目だけで水城を見るも、水城はフィールドを真っ直ぐと見つめていて目が合うことはなかった。

「もはやお前たちのシュートに興味はない」

水城に代わり目金が入って試合再開。だが吹雪も抜け、そして水城も抜けた雷門では正直火力が足りていない。十分に攻めることができない雷門に、しばらくしてデザームが片手で受け止めたボールをラインの外に投げ、そう吐き捨てた。