【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス IV (ページ45)

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190話ページ45

ピ─────ッ

試合が始まった。寺門から辺見へ、そして鬼道にボールが渡る。「いくぞ!!」と鬼道は声を飛ばし上がっていった。

「鬼道!君とやり合ってみたいと思っていたんだ!」

そう言い一之瀬はフレイムダンスを繰り出した。炎が鬼道の足元まで伸びボールを奪うかと思いきや、鬼道は口角を上げ後ろの洞面にパスを出す。フレイムダンス失敗。

「後ろも見ずにパスなんて…!」

「凄い…鬼道には帝国の選手の動きが全部分かってるんだ…!」

信頼関係がなければ成立しないそのプレーに関心する一之瀬と円堂。その間にも鬼道は連携して雷門陣に切り込み、そしてあっという間に立向居の守るゴール前へ。

「いくぞ円堂!土門!!デスゾーン開始!!」

後ろに並んだ円堂と土門に声をかけボールを蹴り上げた。それに続くように3人は飛び上がり回転しながら三角形を描いていく。

「3人の、」

「息を、」

「合わせるんだ!」

「「「デスゾーン!!」」」

同時に蹴り込むと紫のエネルギーを纏(まと)ったボールは一直線にゴールへと向かっていく。雷門側のベンチに座っていた佐久間は決まったか、と身を乗り出すも、その直後エネルギーがふっと消滅する。「失敗だ…!」着地した鬼道が、ただのノーマルシュートになったそれを見ながら悔しげにこぼした。

「シュタタタタタン、ドババババーン!」

立向居は目を閉じ、シュートの作り出す空気の流れを感じながらムゲン･ザ･ハンドを繰り出そうとした。しかし無事キャッチしたのは良かったものの、それはムゲン･ザ･ハンドではなく「違う、こうじゃない…!」と立向居は顔を顰(しか)めた。

「今のタイミング、完璧だったよな…?」

「ああ、今までで一番息が合っていた」

「なのに何故出せなかったんだ…!?」

「俺にも分からない…」

土門も鬼道も手応えは感じていた。なのに成功しなかったことに落ち込み、自然と目線が下がってしまう。

「面白いな!!」

その直後、円堂の明るい声。「鬼道にも分からないデスゾーンか!ますます完成させたくなってきた!!」と続ける円堂には落ち込んだ様子も、焦った様子もなかった。この前向きな心持ちに何度救われたことだろう。3人は拳を合わせて再度気合を入れたのだった。