【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス IV (ページ40)

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185話ページ40

「なんだ、この感じ…」

円堂と立向居のポジションが変わり数日が経った。円堂はタイヤに拘束されていても十分動けるようになり、シュートもヘディングできるようになっていた。そして立向居も、キック力の高い綱海のシュートをきちんと受け止められるようになっていた。

「はあああっ!!!」

シュートを頭で受けるのは何百回目だろうか。円堂は全身から頭にパワーが集まっていくのが分かった。そのままボールに突っ込むと頭から出現した拳。シュートを弾き返したそれは、紛れもなくダイヤモンドダスト戦の最後に繰り出したそれだった。

「円堂さん、掴めたんですか!?」

「ああ、身体中熱くなってきてるんだ!」

そう言う円堂に「必殺技で試してみるか」と提案する鬼道。大きく頷いた円堂は自分を拘束していたタイヤを外してもらい、そして構えた。

「こいつを打ち返すパワーがあれば本物だ!」

鬼道が高らかに指笛を吹き、地面から5羽のペンギンが現れると同時に豪炎寺と水城は走り出した。

「皇帝ペンギン…」

「『2号!!』」

「よおしこい!!」

ペンギン5羽を伴い鬼道が蹴ったボールを、続いて豪炎寺と水城が左右から同時に蹴り込みさらに威力を上げる。そのシュートを頭で受けた円堂。

「だあああああっ!!!」

固唾を呑んで見守っていた周囲。そして円堂の頭から出現した拳がボールを弾いた瞬間、歓喜の声を上げて駆け寄っていった。

「できた…よっしゃあああっ!!」

「円堂…!」

「円堂さん、やりましたね!」

「すげえじゃねえか!!」

その技は目金によりメガトンヘッドと名付けられる。そして円堂がメガトンヘッドを習得したことにより、立向居をはじめ他のメンバーの士気が上昇した。

「やはりぶっつけ本番だと止められるか」

『こっちもパワーアップしなきゃ駄目だね』

「あっぶっつけで皇帝ペンギン2号打ってたの!?」

豪炎寺と水城の会話に驚く塔子。豪炎寺と水城で打てばさらに威力が上がるだろうという、技の始動者である鬼道の提案だった。どんどん皇帝ペンギン2号を打てる者が増えていく。

「円堂、まだまだパワーアップを続けるぞ!」

「おう!なんでもこい!」

「その意気だ。エイリア学園マスターランクチームに勝つには、俺たちに限界があっては駄目だ。もう一つ!必殺技を覚えてもらう」

「おう!なんでも…、んっ?その必殺技って?」

「ふっ…。鍵は、帝国学園にある」

そう言って鬼道は腕を組み、くっと口端を吊り上げると不敵な笑みを浮かべた。