169話 ページ24
「なんて動きなの…!」
「大丈夫でしょうか…」
「皆頑張って…!」
試合は少し進む。鬼道がブロウからボールを奪うも即座にガゼルに奪い返された。その一瞬のプレーに夏未、春奈、秋がそうこぼす。また塔子がボールを奪い返し鬼道、そして一之瀬にボールが渡った。
「リカ!」
リカにボールが繋がる。そして前線にボールを送ろうと前を向いたところでゴッカのフローズンスティールが炸裂した。凍らされた足を押さえるリカ。悲鳴を上げたことで負傷してしまったかと角馬が言う。
「それが闇の冷たささ」
ガゼルが冷たく笑い言い放った。ゴッカが前線にロングパスを送りガゼルへ。木暮が立ち塞がるも軽く突破して高威力のシュートを蹴り込んだ。塔子のザ･タワーは破られ、それに続いた壁山のザ･ウォールで防ぐことに成功する。ノーマルシュートでさえ2人の必殺技で止めるのがやっと。きつい試合展開になりそうだ。
「…え?」
『ボールが…』
「戻ってきた?」
ザ･ウォールで弾かれたボールはそのまま観客席に飛んでいってしまった。新しいボールを用意しなければ、と秋が立ち上がった直後、そのボールはセンターサークルに落ちてきた。まさか跳ね返って戻ってきたわけではあるまい。
「…ああ!?」
そしてそのボールに続き金色の長い髪を靡かせ、まるで天使が舞い降りるように、観客席から飛び降りてフィールドに入ってきた中性的な外見の少年。フットボールフロンティアに出場した雷門メンバーにとっては忘れもしない、彼だった。
「アフロディ…!!」
フットボールフロンティア決勝で戦った世宇子中のキャプテン、アフロディ。静かに見つめてくる彼に、円堂は目を見開いた。
「また会えたね、円堂君」
試合は一旦中断。円堂がアフロディのもとへ行くと、アフロディはそう言った。一之瀬に肩を貸してもらったリカは当然彼を知らないので誰だと訝しげに呟く。彼の大まかな説明をする一之瀬。神のアクアによって強化された、アフロディの凄まじいシュートが脳裏をよぎっていた。
「何しに来たんだ…」
「戦うために来たのさ、君たちと」
険しい表情で円堂が尋ねるとそう答えるアフロディ。円堂の表情がさらに険しくなった。このタイミングで何故来たのだ、と眉を
「君たちと共に、奴らを倒す…!」
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作者名：不二市
| 作成日時：2018年4月23日 23時
