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願い5 ページ6

智樹side


気がつくと何も無い場所にいた。


辺り一面真っ白で、何処が壁なのかわからない。




「おーい、藤代智樹くん?」


背後から急に名前を呼ばれて飛び上がる。



「ひっ、そ、そうです。
藤代ですが……」


できるだけ距離を取りながらなんとか返事をする。



「そんなに怯えなくていいよ。
ここには僕たちしかいないんだから」


余計怖いです。
それは助けを求められないということだから。

まあ、助けてくれた人なんていないけど。



「いやあね、さっきはごめんね?
少し説明してから転生させてあげたかったんだけど、間違えちゃって」


転生?ということは僕は死んだんだな。
でも、まだ生きなくちゃいけないのか。


「君が可哀想だったから、助けたくなった。
だから運命を少しだけ変えて、別の世界の人にしてみました。
ちなみにその世界はカクカクシカジカな感じだよ!」


おう、カクカクシカジカで伝わるなんて魔法のようだな。


「それじゃ、勝手だけどそろそほ目覚めてもらうよ。でもね、一つだけお願いがあるんだよね」


今までのヘラヘラした笑顔から一転、真面目な顔になる。


怖い。この張り詰めた空気が。
その口から何が言われるのか。



「君は刀剣男子になるわけだけど、
元が人間だってバレないでほしいんだよね。

もしも政府にバレたら実験されるかもしれないし、色々と面倒くさいからね。
だから、記憶喪失みたいな感じにしてくれるとありがたいかな」


いい?と疑問系をとってはいるが僕に拒否権はない。



「は、はい。わかりました」


元の人がどんな人かもわからないんだから、
記憶喪失と言った方が自然だろうしね。




「よし、それじゃあ行ってらー。
今度こそ君が幸せになれることを願ってるよ」



願っても叶えてくれるかは別ですけどね。


心の中で毒づきながら、大事なことを訊いてなかったことに気付く。



「あ、あの!兄弟は、弟はどうなりましたか?
まだ、生きてますか?」


答え辛そうに



「君の弟は……死んだよ」



僕が死んだ後に、父さんたちに殴られて、
打ち所が悪かったらしい。



……そっか。なら、あっちになんの未練もないな。



「ありがとうございました。


その、大変申し訳ないのですが、お、お名前を聞いてもいいですか?」


そんくらいいいのに

と笑うその人の顔を見ることができずに俯いていたら、急に顔を掴まれて


目があう。




「俺は、緋影だ。よろしくな」




そのまま意識がなくなった。

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紗月(プロフ) - 時雨さん» いえ、わざわざありがとうございます! (2016年12月18日 1時) (レス) id: 20a4380b24 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - …って、もう解決してたみたいですね。なんか、本当にすみませんでした(汗) (2016年12月18日 1時) (レス) id: 9df64bfe3b (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - 紗月さん» 黒真さんじゃなくてすみません。山伏の一人称は「拙僧」ですよ! (2016年12月18日 1時) (レス) id: 9df64bfe3b (このIDを非表示/違反報告)
紗月(プロフ) - すいません!山伏さんの一人称ってなんでしたか? (2016年10月5日 15時) (レス) id: 20a4380b24 (このIDを非表示/違反報告)
黒真 - 山伏さんが昼餉を取りに行ったんですよね?だとしたら一人称が違いますよ (2016年10月5日 15時) (レス) id: 6f04cd4e51 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:合歓木 | 作成日時:2016年8月27日 2時

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