検索窓
今日:13 hit、昨日:4 hit、合計:72,709 hit

願い19 ページ22

石切丸side



三条大橋に出陣していた第1部隊が帰ってきてから、本丸内は大騒ぎだった。



堀川が明石を守って闇に侵食されているからだ。



主が明石を顕現して聞き出した情報によると、
堀川の死にたくないという願いに対して、敵が闇堕ちさせようとしたらしい。




彼なら仲間になるとでも思ったのか?



実際、彼に流し込まれた闇は相当多くて、完全に堕ちてないのが不思議なくらいだ。



太郎と一緒に祓おうと
しているが、一向に底が見えない。




結界の張られた部屋でただひたすら作業を続ける。



そこに、



「石切!太郎!
一時的に闇を抑えるから、その間に堀川を取り戻すよ!」



主と山姥切が飛び込んできた。



「闇を抑えるなんて事が出来るのかい!?」



「やるんだよ!」



どこまでも一生懸命な主の目には、失敗するかも、と言った色はなく、むしろ絶対に救う、と言う決意が込められていた。



「わかった。
僕たちも頑張るよ」



主が術を掛け始め、しばらくすると、今まで荒い呼吸を繰り返していた堀川が薄っすらと目を開けた。




「兄弟!!
俺が分かるか!?」



山姥切が堀川の手を握る。


太郎が止めようとしたが、主が首を横に振る。



もしもこれが失敗したら、堀川を破壊しなければならない。



それだけはなんとしてでも避けなければ。



だから、彼が戻ってくる為ならどんな事でもやってみたい。



そんな山姥切の気持ちが痛いほどに伝わってくる。



「……きょう、だ、、、い」




視点の定まらない目でどこかを見つめている。



彼が見ているのは目の前の山姥切か、それども前の本丸の方なのか。




「……死にたく、ない。





でも、死にたい」




「!?
何を言って……」




驚く山姥切の言葉を遮って、堀川は話し続ける。




「壊したい。

僕は兄弟たちを壊したいんだ。


でも、そんな事したい訳がないよ。





だから、そんな事をする前に、









兄弟の手で、僕を折って?」

願い20→←願い18



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (37 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
43人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

紗月(プロフ) - 時雨さん» いえ、わざわざありがとうございます! (2016年12月18日 1時) (レス) id: 20a4380b24 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - …って、もう解決してたみたいですね。なんか、本当にすみませんでした(汗) (2016年12月18日 1時) (レス) id: 9df64bfe3b (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - 紗月さん» 黒真さんじゃなくてすみません。山伏の一人称は「拙僧」ですよ! (2016年12月18日 1時) (レス) id: 9df64bfe3b (このIDを非表示/違反報告)
紗月(プロフ) - すいません!山伏さんの一人称ってなんでしたか? (2016年10月5日 15時) (レス) id: 20a4380b24 (このIDを非表示/違反報告)
黒真 - 山伏さんが昼餉を取りに行ったんですよね?だとしたら一人称が違いますよ (2016年10月5日 15時) (レス) id: 6f04cd4e51 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:合歓木 | 作成日時:2016年8月27日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。