願い19 ページ22
石切丸side
三条大橋に出陣していた第1部隊が帰ってきてから、本丸内は大騒ぎだった。
堀川が明石を守って闇に侵食されているからだ。
主が明石を顕現して聞き出した情報によると、
堀川の死にたくないという願いに対して、敵が闇堕ちさせようとしたらしい。
彼なら仲間になるとでも思ったのか?
実際、彼に流し込まれた闇は相当多くて、完全に堕ちてないのが不思議なくらいだ。
太郎と一緒に祓おうと
しているが、一向に底が見えない。
結界の張られた部屋でただひたすら作業を続ける。
そこに、
「石切!太郎!
一時的に闇を抑えるから、その間に堀川を取り戻すよ!」
主と山姥切が飛び込んできた。
「闇を抑えるなんて事が出来るのかい!?」
「やるんだよ!」
どこまでも一生懸命な主の目には、失敗するかも、と言った色はなく、むしろ絶対に救う、と言う決意が込められていた。
「わかった。
僕たちも頑張るよ」
主が術を掛け始め、しばらくすると、今まで荒い呼吸を繰り返していた堀川が薄っすらと目を開けた。
「兄弟!!
俺が分かるか!?」
山姥切が堀川の手を握る。
太郎が止めようとしたが、主が首を横に振る。
もしもこれが失敗したら、堀川を破壊しなければならない。
それだけはなんとしてでも避けなければ。
だから、彼が戻ってくる為ならどんな事でもやってみたい。
そんな山姥切の気持ちが痛いほどに伝わってくる。
「……きょう、だ、、、い」
視点の定まらない目でどこかを見つめている。
彼が見ているのは目の前の山姥切か、それども前の本丸の方なのか。
「……死にたく、ない。
でも、死にたい」
「!?
何を言って……」
驚く山姥切の言葉を遮って、堀川は話し続ける。
「壊したい。
僕は兄弟たちを壊したいんだ。
でも、そんな事したい訳がないよ。
だから、そんな事をする前に、
兄弟の手で、僕を折って?」
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紗月(プロフ) - 時雨さん» いえ、わざわざありがとうございます! (2016年12月18日 1時) (レス) id: 20a4380b24 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - …って、もう解決してたみたいですね。なんか、本当にすみませんでした(汗) (2016年12月18日 1時) (レス) id: 9df64bfe3b (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - 紗月さん» 黒真さんじゃなくてすみません。山伏の一人称は「拙僧」ですよ! (2016年12月18日 1時) (レス) id: 9df64bfe3b (このIDを非表示/違反報告)
紗月(プロフ) - すいません!山伏さんの一人称ってなんでしたか? (2016年10月5日 15時) (レス) id: 20a4380b24 (このIDを非表示/違反報告)
黒真 - 山伏さんが昼餉を取りに行ったんですよね?だとしたら一人称が違いますよ (2016年10月5日 15時) (レス) id: 6f04cd4e51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:合歓木 | 作成日時:2016年8月27日 2時