Inexperienced【サンタナ】 リクエスト・モカさん ページ49
お前と同じ種族だったらよかったのだろうか。
目を覚ました時、俺のそばには子供がいた。その子供は、俺が人間を食ったことで「救われた」と言った。その日から、俺の傍にはいつもその子ども…Aがいる。
出会いから何年も時が流れた。Aは「大人」になった。
「サンタナ、起きた？」
その声に、こいつが子供の時とは違う「何か」を感じている。ただ、それが何なのかを俺は知らない。
「今日はこんなのを持って来てみたの」
差し出される「料理」は年々上達していた。だが、俺はそれを食う必要はない。俺はいつもと同じように首を横に振った。
「また、だめ…？」
そっとうつむいたAはどこか悲しげだ。そう思って、自分は今「悲しい」という感情を知っているのだな、と自覚する。思えば、この女と生きていく中で、随分と色々なことを知った。それほどまでに、俺はこの女と一緒にいる。
「お前は、なぜいつもここに来る？」
ふと問いかけた俺の問いに、Aは戸惑うような顔をした。「今更何を？」という顔だ。だが、俺は知っている。俺とAは決して同じように生きることは出来ない。
身体に取り入れられていく人間の姿を、あの時こいつはじっと見つめていた。俺が人を食う存在であると知りながら、この女は十数年の月日を、俺と過ごしてきたわけだ。
「人を食った俺のもとに来ることは、人間のあり様としておかしいだろう」
被捕食者が捕食者のもとにすり寄ってくるなんて、それは自然の理に反する。
「お前は人の理の中で生きていけ。もう俺のもとに来るな」
俺の言葉に、Aの眼から涙がこぼれた。「拒絶」がショックだったのだろう。
(だが、なぜだ…なぜ、俺まで苦しい…？)
何かを叫んで走り去るAの背を、俺は静かに見つめていた。
幾日かの時間が流れた。普段は飛ぶように過ぎていた時間が、嫌に長く感じる。そういえば、今の自分は独りきりになったのだな、と思った。カーズ様たちは、百余年経った今も頂点に君臨されることはなく、俺を迎えに来てくれることもない。
(そうか、俺はAがいなければ独りきりだったか)
孤独を耐えるには、俺はあまりに多くを知りすぎた。
その時、足音がした。Aだった。駆け寄ってきた彼女の眼は、俺の知らない「何か」に満ち溢れていた。
「サンタナ、やっぱり私、貴方といたい」
そう言って、俺に触れた手に俺は確かに「覚悟」と「愛」を見た。
嘘も方便【ジョセフ・ジョースター】→←未来の話【花京院典明】
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りと(プロフ) - ∴さて、どこへ行こうか。さん» リクエストありがとうございます！返品が遅くなってしまい、大変申し訳ありません<(_ _)>リクエストの方、承りました！ここではお話がいっぱいになってしまいましたので、続編の方で取り扱わせて頂きたいと思います(^^♪ (2021年8月23日 23時) (
レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ?さん» ？さん、リクエストへの返信が大変遅くなってしまい申し訳ありませんでした<(_ _)>リクエスト承りました！ここではお話がいっぱいになってしまいましたので、続編の方で書かせていただきますヽ(*^^*)ノ (2021年8月12日 0時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - モカさん» 返信がとても遅くなってしまい、申し訳ありません！リクエスト、承りました！ (2021年7月19日 22時) (レス) id: b238753ec9 (このIDを非表示/違反報告)
∴さて、どこへ行こうか。 - リクエストです。普段甘えない花京院典明の恋人(夢主)が甘える、という内容なのですがよろしいでしょうか？出来れば生存ifを希望します… (2020年11月6日 19時) (レス) id: a195df0bb5 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - リクエなのですが、露伴先生と病弱な夢主が恋人関係なのですがその病弱な夢主が意外にも悪徳的なスタンドを持っている事を知って何があったのかと聞くと泣きながら過去にあった親からの虐.待などを夢主が語っていき、その日は思う存分甘えされるみたいなのをください！ (2020年3月27日 16時) (レス) id: d243ef7454 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2019年1月9日 21時
