幸せにするということ【東方仗助&岸部露伴】 リクエスト・Heavenさん ページ47
幸せにする、とは言ってくれたって…。
「Aさん、俺じゃダメなんすか?俺、絶対Aさんのこと幸せにできるっすよ!」
「ええ…」
「バカ仗助、Aを離せ。迷惑がっているじゃあないか。それに、僕の方が彼女を幸せにできるに決まっている」
かたや、ぶどうヶ丘高校一のモテ男にして、米国の大資産家の隠し子─東方仗助君。
かたや、涼し気な美形といった様子の、新進気鋭の天才漫画家─岸部露伴先生。
「両手に花」とはこのことか、といった状況だが、私はすっかり困り果てていた。
「その…ここ、普通に外ですし、やめません?人が見てます…」
「Aが嫌なら…」
「仕方ないっすね…」
不承不承といった様子で言葉を切る二人に、私はほっと胸をなでおろした。このまま往来であんな口論を続けられては、いたたまれないというものだ。
「だが、それはそれとして…やっぱりちゃんとはっきりさせたいんすけど」
「はっきり、って?」
「なんだい、わからないとは言わせないよ」
当然そう来るよなあ、と他人事のように思いながら、私はじっと岸部先生のまっすぐな目を見つめていた。
「そ、れもそうですよね。」
そう言って、私はふと気になっていたことを口に出し、また視線を前に向ける。
「そういえば、私を幸せにしてくれる、って二人とも言ってくれているけれど、具体的にはどういう風に幸せにしてくれるんです?」
「俺は一生アンタを守りますよ、アンタが望んでくれるなら。アンタがずっと笑ってられるように」
「僕は、死ぬまで君のことを愛し続ける。この世の全ての残酷さや恐れ…それが何であれ、僕は君を守ろう」
ひどく情熱的な言葉に、私は思わず歩く足を止めてしまった。純粋な好奇心からそう問いかけただけだったが、これほどまでにはっきりと言葉にされるとは思ってもみなかった。
私はじっと目の前のアスファルトのひかれた道を見つめた。
(わかってたことじゃないか。二人とも本気なことくらい)
スタンドで「視て」しまったからわかってる。だからこそ、どうしても「答え」を口に出せなかった。でも、今こうして二人の思いから逃げ続けてしまうのは、きっと卑怯なことだから。
「…本気、ですもんね。なら、ちゃんと答えなくては」
私は意を決した。顔をあげ、私はまっすぐに「彼」を見つめた。
「私はあなたと幸せになりたい」
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りと(プロフ) - ∴さて、どこへ行こうか。さん» リクエストありがとうございます!返品が遅くなってしまい、大変申し訳ありません<(_ _)>リクエストの方、承りました!ここではお話がいっぱいになってしまいましたので、続編の方で取り扱わせて頂きたいと思います(^^♪ (2021年8月23日 23時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ?さん» ?さん、リクエストへの返信が大変遅くなってしまい申し訳ありませんでした<(_ _)>リクエスト承りました!ここではお話がいっぱいになってしまいましたので、続編の方で書かせていただきますヽ(*^^*)ノ (2021年8月12日 0時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - モカさん» 返信がとても遅くなってしまい、申し訳ありません!リクエスト、承りました! (2021年7月19日 22時) (レス) id: b238753ec9 (このIDを非表示/違反報告)
∴さて、どこへ行こうか。 - リクエストです。普段甘えない花京院典明の恋人(夢主)が甘える、という内容なのですがよろしいでしょうか?出来れば生存ifを希望します… (2020年11月6日 19時) (レス) id: a195df0bb5 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - リクエなのですが、露伴先生と病弱な夢主が恋人関係なのですがその病弱な夢主が意外にも悪徳的なスタンドを持っている事を知って何があったのかと聞くと泣きながら過去にあった親からの虐.待などを夢主が語っていき、その日は思う存分甘えされるみたいなのをください! (2020年3月27日 16時) (レス) id: d243ef7454 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りと | 作成日時:2019年1月9日 21時