チョコレート【ダニエル・J・ダービー】 リクエスト･モカさん ページ35
彼は意外と嫉妬深い。
「テレンスさん、こんにちは」
「ああ、Aさん。兄がいつもお世話になってます」
最近、縫い物に凝り始めたこともあって、テレンスさんとお話することが増えた。おかげで、刺繍や編物のレパートリーも増えた。
「これ、どうかしら。ハンカチに少し刺繍をしてみたんだけど…」
「おや、これはまた……いいと思いますよ。前より腕を上げましたか」
ふっと微笑んだテレンスさんに微笑み返した時だった。
「2人で楽しそうだな。わたしも混ぜてくれないか？」
聞きなれた声と共に、嗅ぎなれた整髪剤と香水の香りに包み込まれる。
「…おや、これはこれは」
「ダニエル」
すい、とダニエルが私の手をとると、流れるように私の手の甲にキスが落とされた。それを見つめているテレンスさんの眉が僅かに跳ねる。
「やあ、A。楽しそうな君の声が聞こえたからここまで来てしまった」
そういう彼の目は笑っていない。
(あら、そういうこと…)
私は少し目を細めた。
「折角楽しそうなところだが…少しいいかな？」
「…わたしは構いません。どうぞご自由に」
テレンスさんの言葉にダニエルが満足気に頷く。
「それじゃあ、行こうか」
「…考えすぎじゃなくって？」
紅茶のカップを彼の前に置きながら、私は微笑んだ。
「貴方って意外と嫉妬深いのね」
「…あいつの君を見る目が気に食わなくてね」
そういうと、ダニエルはお茶請けのチョコレートを口の中に放り込んだ。
「私を見る目…？ただの兄の彼女ってだけでしょう？」
「どうかな」
不機嫌そうに眉を顰める彼に、思わず声を殺して笑っていた。
「そんな顔をしないでよ」
「どんな顔なんだ」
「拗ねてる子供みたいな顔」
「そんな顔にさせてるのは君なんだがね」
私以外の人の前ではまず見ることの無い表情をする彼が、たまらなく愛しい。
「あら、それはごめんなさいね」
そう言って、私はチョコレートを口に入れると、ダニエルの唇にキスをした。
「…これで許してくれる？」
ダニエルの口に移したチョコレートの甘みがまだ僅かに残っている。
「仕方ないな」
ダニエルはそう言うと、ふっと口元を緩めた。そして、するりと私の腰に手を回すと、深く深く私に口付ける。チョコレートの甘さとキスの甘さに、体が蕩けてしまいそうになった私の体を、彼の腕が支える。涙でぼやける視界の中で、彼が不敵に笑ったのが見えた。
「これで許そう」
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りと(プロフ) - ∴さて、どこへ行こうか。さん» リクエストありがとうございます！返品が遅くなってしまい、大変申し訳ありません<(_ _)>リクエストの方、承りました！ここではお話がいっぱいになってしまいましたので、続編の方で取り扱わせて頂きたいと思います(^^♪ (2021年8月23日 23時) (
レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ?さん» ？さん、リクエストへの返信が大変遅くなってしまい申し訳ありませんでした<(_ _)>リクエスト承りました！ここではお話がいっぱいになってしまいましたので、続編の方で書かせていただきますヽ(*^^*)ノ (2021年8月12日 0時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - モカさん» 返信がとても遅くなってしまい、申し訳ありません！リクエスト、承りました！ (2021年7月19日 22時) (レス) id: b238753ec9 (このIDを非表示/違反報告)
∴さて、どこへ行こうか。 - リクエストです。普段甘えない花京院典明の恋人(夢主)が甘える、という内容なのですがよろしいでしょうか？出来れば生存ifを希望します… (2020年11月6日 19時) (レス) id: a195df0bb5 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - リクエなのですが、露伴先生と病弱な夢主が恋人関係なのですがその病弱な夢主が意外にも悪徳的なスタンドを持っている事を知って何があったのかと聞くと泣きながら過去にあった親からの虐.待などを夢主が語っていき、その日は思う存分甘えされるみたいなのをください！ (2020年3月27日 16時) (レス) id: d243ef7454 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2019年1月9日 21時
