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女の子の日【空条承太郎】リクエスト・モカさん ページ27

自慢の彼氏の話をします。


『…承太郎くん、ありがとう……』

半ば呻くようにそういった私に、彼は黙って毛布をかけた。

「…毎月大変だな。」

ボソリ、とそういった彼の目は私の下腹部に向いている。

『そう、だねぇ…』

女の子なら誰しもが体験する「女の子の日」は、例外なく私にもやってくる。
しかし、私のそれはかなり重い。
貧血、下腹部の鈍痛、腰の痛み、頭痛、時には微熱がだらだらと続くこともある。
あまりにひどい時は貧血から来る立ちくらみで倒れたりすることもあった。
そんな私の体のことを私の次に理解してくれているのが、私の彼氏である承太郎くんだった。

「寒くないか。」

『うん、平気…』

初めこそ私の身に起こっていることをあまりよく分かってはいないようだった。
だが、私のために勉強してきたらしい。
今では彼のおかげで憂鬱な1週間も少しはマシな気分になってきていた。

「少し待ってろ。」

承太郎くんはそう言うと、キッチンの方へと向かっていく。
その大きな背中を見送りながら、私は毛布の中で丸くなった。

「…A、起きれるか。」

承太郎くんの声に顔を上げると、ふわりと甘い香りが鼻をくすぐる。
どうやらココアを入れてくれたらしい。

「温かいものを飲んだら楽になる、と聞いてな。」

『…ありがとう。』

体を起こし、マグカップを受け取る。
冷える手先を温めながら、私は火傷しないように少しずつ熱いココアを啜った。
隣には承太郎くんが座り、同じようにコーヒーを啜っている。

『いつもごめんね、承太郎くん。』

「…何がだ?」

『毎月体調不良だし、そのせいでデートの約束守れないし…』

実際、今日は本当は水族館に行くはずだった。

(申し訳ないな…)

俯いた私を承太郎くんは特に何も言わずに見下ろしている。
コトン、と彼はマグカップを置くと、私の腰の辺りを優しくさすった。

「俺は別に迷惑だとは思っちゃいねぇ。」

『…そう?』

「恋人に尽くせる良い機会……だからな。」

そう言って、承太郎くんは微笑んだ。
普段滅多に笑わない彼だからこそ、時折見せるこの微笑みの破壊力は凄まじい。
真っ赤になる私を見て、承太郎くんはさらに続けた。

「それに、お前の体のことくらいはちゃんと分かっておきたい。」

彼はそう言って、辛いなら頼れ、と続けた。

『気にかけてくれてありがとね。』

「当然だ。」

そう言うと、彼の長い指が私の指を絡めとる。



「俺はお前とこれからも一緒に生きていくんだから。」

tough【東方仗助】→←共依存【ディアボロ】



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りと(プロフ) - ∴さて、どこへ行こうか。さん» リクエストありがとうございます!返品が遅くなってしまい、大変申し訳ありません<(_ _)>リクエストの方、承りました!ここではお話がいっぱいになってしまいましたので、続編の方で取り扱わせて頂きたいと思います(^^♪ (2021年8月23日 23時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ?さん» ?さん、リクエストへの返信が大変遅くなってしまい申し訳ありませんでした<(_ _)>リクエスト承りました!ここではお話がいっぱいになってしまいましたので、続編の方で書かせていただきますヽ(*^^*)ノ (2021年8月12日 0時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - モカさん» 返信がとても遅くなってしまい、申し訳ありません!リクエスト、承りました! (2021年7月19日 22時) (レス) id: b238753ec9 (このIDを非表示/違反報告)
∴さて、どこへ行こうか。 - リクエストです。普段甘えない花京院典明の恋人(夢主)が甘える、という内容なのですがよろしいでしょうか?出来れば生存ifを希望します… (2020年11月6日 19時) (レス) id: a195df0bb5 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - リクエなのですが、露伴先生と病弱な夢主が恋人関係なのですがその病弱な夢主が意外にも悪徳的なスタンドを持っている事を知って何があったのかと聞くと泣きながら過去にあった親からの虐.待などを夢主が語っていき、その日は思う存分甘えされるみたいなのをください! (2020年3月27日 16時) (レス) id: d243ef7454 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りと | 作成日時:2019年1月9日 21時

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