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Wake up call 【プロシュート】 ページ24

「おはよう」


 電話越しに聞こえてきた声に、喉が張り付いたように声が出なくなった。

「…まだ寝ぼけてんのか?」

 聞き慣れた声だが、安らぎなど微塵も感じない。感じるのは、「恐怖」と「絶望」だけ。

「なあ、挨拶をしたらよォ…ちゃんと挨拶を返しましょうってガキでも知ってんだぜ?」

「…なん、で……」

「ん?」

「なんで……見つけられるの………?」

 この男から逃げるために何度も何度も引越しをし、電話番号も変えてきた。住み慣れた街を離れ、人の少ない田舎町に行ったし、逆に大都市にも逃げた。
 でも、この男はどこに居ようと必ず私を見つけだす。

「そりゃお前…俺とお前は「運命の赤い糸」で繋がってるからだろ」

 その糸を赤く染め上げるものを私はよく知っている。グロテスクな黒みがかった赤色の糸は、多くの人の死と暴力で成り立つのだ。

「なぁ、A。ダメだろ?お前は俺のものなのに、他の男と会うなんてよ」

「彼とは、そんな関係じゃ…」

「嘘つくんじゃねェ。あいつはお前に惚れてたぜ」

「それとこれは関係な…」

「A」

 冷たい声が、受話器から聞こえる。

「俺はお前を愛してる、マジでな。だがよォ……もし俺を裏切るような真似をしたら、俺は優しい男じゃあいられねェ。わかるだろ?」

 幼い子供に言い聞かせるように囁く彼が怖かった。
 同じ言葉を話す人間のはずなのに、彼には言葉が通じない。全て自分が正しいのだと言わんばかりに振る舞う彼は、きっと逃げる私の心が分からないのだ。

「俺だってお前を悲しませたくないんだよ、A。愛する女が泣く姿は堪えるんだ…な?」

「なら…もうやめて、プロシュートさん……」

「やめる?何をだ?」

 ピンと来ていないらしい声に、また恐怖を感じる。

「もう…私の周りの人を殺し回るのはやめて下さい……これ以上…私のせいで死ぬ人を見たくないの……お願い…」

 声が震える。
 初めて出来た恋人も、隣人の青年も、バーで声をかけてきた男も、みんな突然老いて死んだ。その死体を見る度に、金髪碧眼のあの美しい男の姿が過ぎる。

「いいぜ、やめてやるよ」

 実にあっさりとそう言われてホッと息をついた、がすぐに背筋が凍る。


(今の声、受話器からじゃなかった)


 するり、と私の背中からしなやかな腕が回される。凍りつく私の耳元でふっと息を吐く音がした。

「お前が一生俺のそばにいるなら、な」



ああ、この男からは逃げられない。

paradiso【セッコ】 リクエスト・きーはさん→←愛を望めど【ホルマジオ】



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りと(プロフ) - ∴さて、どこへ行こうか。さん» リクエストありがとうございます!返品が遅くなってしまい、大変申し訳ありません<(_ _)>リクエストの方、承りました!ここではお話がいっぱいになってしまいましたので、続編の方で取り扱わせて頂きたいと思います(^^♪ (2021年8月23日 23時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ?さん» ?さん、リクエストへの返信が大変遅くなってしまい申し訳ありませんでした<(_ _)>リクエスト承りました!ここではお話がいっぱいになってしまいましたので、続編の方で書かせていただきますヽ(*^^*)ノ (2021年8月12日 0時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - モカさん» 返信がとても遅くなってしまい、申し訳ありません!リクエスト、承りました! (2021年7月19日 22時) (レス) id: b238753ec9 (このIDを非表示/違反報告)
∴さて、どこへ行こうか。 - リクエストです。普段甘えない花京院典明の恋人(夢主)が甘える、という内容なのですがよろしいでしょうか?出来れば生存ifを希望します… (2020年11月6日 19時) (レス) id: a195df0bb5 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - リクエなのですが、露伴先生と病弱な夢主が恋人関係なのですがその病弱な夢主が意外にも悪徳的なスタンドを持っている事を知って何があったのかと聞くと泣きながら過去にあった親からの虐.待などを夢主が語っていき、その日は思う存分甘えされるみたいなのをください! (2020年3月27日 16時) (レス) id: d243ef7454 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りと | 作成日時:2019年1月9日 21時

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