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古風な男【リゾット・ネエロ】 ページ17

リゾット・ネエロは古風な男だ。


「…結婚してくれないか」

 二人きりで話がしたい…と彼の家に呼ばれたのが数時間前。
 いつにも増して深刻な面持ちなものだから、何かあったのかと本気で心配になった。それが、これだ。

「…え?」

 思わず驚いてしまった。まさか結婚してくれなんて言われるとは思っていなかった。

「…リゾット、貴方も私もギャングなのよ?」

「…?わかっている」

「いいえ、わかっていないわね。私達は明日が確約されてる身分じゃあないの」

「そうだな」

「そんな状況で、結婚なんて…無意味だと思うけど」

 私は確かに彼が好きだ。愛している。結婚を申し込まれて嬉しくなかったわけじゃない。むしろ、天にも昇れるような気持ちだった。
 だけど、私はギャングで、彼もギャングなのだ。

「むしろ、デメリットが大きいわ。結婚してしまったら、私は貴方の枷になる。何かあった時、私が人質になれば…貴方、私を見捨ててでも敵を殺せるの?」

 リゾットの黒い目が私を見た。

「そんな事をさせる俺だと思うのか」

「…もしもの話よ」

「そのもしも話の方が、俺は無意味だと思うが」

 それとも、とリゾットの目が僅かに細められた。

「…俺以外に気がある男がいる、か?」

「冗談はよしてよ。」

 軽く肩を竦め、リゾットを睨む。

「私が軽い女だと言いたいわけ?」

「前言を撤回する」

 そう言って眼光を緩めたリゾットに、私も少し頬を緩めた。

「でも…結婚なんて、してもしなくても変わらないじゃない」

「なぜ?」

「今こうして私は貴方の家に暮らしてるし、夫婦でやれることは全部恋人同士でもやってるわ」

 私の言葉にリゾットもそうだな、と頷いた。

「なら─」

「だが、俺はお前とちゃんとした夫婦になりたい」

 ピシャリ、とリゾットはそう言った。

「いい加減な関係にはしたくない」

「…」

「ちゃんと、お前と『家族』になりたいんだ」

 目の前にいる古風なシチリアーノのいう「家族」の意味が分からないほど、私は馬鹿ではない。
 でも、その愛の重さをここまで感じたのは初めてだった。人前では手も握らない堅い男が、ここまで愛を言葉にするのは初めてだった。

「…シチリアーノらしい告白ね」

 私はそう言って小さくため息をついた。

「そんな風に言われたら、断れないじゃないの」

 リゾットが目を見開く。その頬に私はそっと手を添えて、微笑んだ。



「…幸せにしてね。」

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りと(プロフ) - ∴さて、どこへ行こうか。さん» リクエストありがとうございます!返品が遅くなってしまい、大変申し訳ありません<(_ _)>リクエストの方、承りました!ここではお話がいっぱいになってしまいましたので、続編の方で取り扱わせて頂きたいと思います(^^♪ (2021年8月23日 23時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ?さん» ?さん、リクエストへの返信が大変遅くなってしまい申し訳ありませんでした<(_ _)>リクエスト承りました!ここではお話がいっぱいになってしまいましたので、続編の方で書かせていただきますヽ(*^^*)ノ (2021年8月12日 0時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - モカさん» 返信がとても遅くなってしまい、申し訳ありません!リクエスト、承りました! (2021年7月19日 22時) (レス) id: b238753ec9 (このIDを非表示/違反報告)
∴さて、どこへ行こうか。 - リクエストです。普段甘えない花京院典明の恋人(夢主)が甘える、という内容なのですがよろしいでしょうか?出来れば生存ifを希望します… (2020年11月6日 19時) (レス) id: a195df0bb5 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - リクエなのですが、露伴先生と病弱な夢主が恋人関係なのですがその病弱な夢主が意外にも悪徳的なスタンドを持っている事を知って何があったのかと聞くと泣きながら過去にあった親からの虐.待などを夢主が語っていき、その日は思う存分甘えされるみたいなのをください! (2020年3月27日 16時) (レス) id: d243ef7454 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りと | 作成日時:2019年1月9日 21時

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