(３９) ページ39
・
校長室に入ってから1時間経った。
どうにも不安で落ち着かない。
闇祓いをしていた時代は自分が戦場に立てていたから不安もなく、好き勝手に暴れることができていた。
なのに今、敵がそこにいると分かっているのに戦うことすら許されない。
もどかしさでどうにかなってしまいそうだった。
『………』
パチッと暖炉の薪が割れる。
その時、フォークスが大きな羽を広げて興奮し始めた。
一気に部屋の温度があがり、思わず咳き込む。
『フォークス！落ち着くんだ……！
ハリーに何かあったのか？………うわっ』
声をかけるとフォークスは僕の方を見て、そして飛びかかってきた。
ローブの襟を足で捕まれ、身体が宙に浮く。
『なっ……なにを……っ』
嘴に何故か組み分け帽子を咥えてフォークスは力強く飛んだ。
もしや、ハリーの元へと連れていってくれるのだろうか
首元が若干苦しかったが、やっとハリーの元へ行けることで僕の心は満たされた。
早く、早くハリーの元へ………
『頼むフォークス、急いでくれ！』
ピィィィ！と鳴きながらフォークスは進む。
途中女子トイレやその手洗い場を通った時はギョッとしたが、なるほどここがバジリスクの通り道だったらしい。
それで嘆きのマートルはここに住んでいるのか……。
少し進むと岩で道が塞がれていて、その近くにウィーズリー君の姿を捉えた。
あの岩をどかさないと先へは進めないな……。
『フォークス！僕を降ろすんだ！
君は先にハリーの所へ！！』
フォークスは僕の言う通りに床へ降ろし、少しの隙間を塗って先へ進んで行った。
「ぽ、ポップルウェル先生！？」
『ウィーズリー君、無事ですか？
…………と、ロックハート先生？』
まさか彼もここに来ていたとは驚いた。
気絶しているようだが……。
「僕は大丈夫です！！でも、この先にハリーが……！」
『えぇ、わかっていますよ。
僕は先に進みます、危険なので君はここで待っていてください』
「わ、わかりました………でも岩が」
僕はその言葉にクスッと笑って、杖を取りだした。
『ウィーズリー君、よく見ておいてくださいね』
「え？」
『エクスパルソ』
ドガァンッと激しい音を立てながら岩が崩れ去った。
「す、すげぇ……」
口をあんぐりと開けた彼に笑いかけ、杖は持ったまま僕は先を目指した。
『ハリー、どうか無事でいてください…！』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 156人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わさび(プロフ) - 海月湊さん» 嬉しいコメントありがとうございます！そう言って頂けると励みになります！これからもよろしくお願い致します。 (2022年9月2日 21時) (
レス) id: 4f48927b1a (このIDを非表示/違反報告)
海月湊(プロフ) - とても面白かったです。私好みの、作品でした。続きを楽しみにしています。更新頑張って下さい。 (2022年9月2日 18時) (レス) @page20 id: 5a465236d8 (このIDを非表示/違反報告)
わさび(プロフ) - ぶどうさん» 応援のコメントとご指摘ありがとうございます！編集いたしました！これからもよろしくお願いします´`* (2022年8月27日 21時) (レス) id: 4f48927b1a (このIDを非表示/違反報告)
ぶどう - コメント失礼します。凄いスラスラ読めて、とても面白かったです。これからも応援してます！(細かい事ですが、マルフォイのファーストネームはドラコだと思います) (2022年8月27日 20時) (レス) id: 0aed378d42 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わさび | 作成日時：2022年8月23日 15時
