(３８) ページ38
・
「昨夜おっしゃいましたな？
秘密の部屋への入り口はとうに知っていると」
セブルスがロックハートを追い詰める。
どうやらロックハートに秘密の部屋を探させるつもりらしい。
ロックハートは真っ青な顔をしながら震え出した。
「では決まりですね、怪物はあなたにお任せしましょうギルデロイ……
伝説的なあなたのお力にね」
全てを分かりきった顔をしたマクゴナガル先生がそう告げる。
ロックハートは遂に何も言えなくなったが、フッと引き攣った笑顔を浮かべると後退りながら口を開く
「よろしい。あ〜…では部屋に戻って………支度します」
先生も一緒にいかがです？と声をかけられたがやんわりと断った。
おそらく彼は本当には探さない。自力で探した方が遥かに早いだろうと思ったからだ。
ロックハートが去った後、マクゴナガル先生に気になっていたことを尋ねる。
『連れ去られた生徒は誰なんです？』
マクゴナガル先生は少し黙ったあと、悲痛な表情を浮かべて僕に告げた。
「ジニー・ウィーズリーです」
『………！』
「そしてポップルウェル先生、これをダンブルドアから預かっています」
『え、』
カサ、と渡された小さなメモ紙を不審に思いながら広げる。
そこには衝撃的な事が書いてあった。
"秘密の部屋を探すでない、ハリーに見つけさせるのじゃ"
『……これ、は』
"もしハリーに危険が迫った時は、フォークスに向かわせる。
お主には城の安全を守ってもらいたい。
よいな、絶対に秘密の部屋を探すでないぞ"
思わずくしゃ、と握り締めた。
マクゴナガル先生が悲しそうに眉を下げながら肩に手を置いてくる。
「……気持ちはわかりますが、これは決定事項です」
『でも先生っ、これはあんまりです……これでは……っ』
「えぇ、わかります。わかりますとも。
ですからA……あなたは校長室にて待ちなさい」
『………校長室？』
先生の言っている意味がわからず首を傾げる。
先生は優しく目を細めながら落ち着いた声で僕に希望を渡してくれた。
「そのメモにある通り、ポッターに何かあればフォークスが向かいます。
それを頼りに………後は貴方の思う"正しい事"を」
『……マクゴナガル先生っ』
先生の優しさに思わず涙が出そうだった。
全てが上手くいくように、と願いながら
僕は一人で校長室への階段を登る。
『レモン・キャンデー』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 156人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わさび(プロフ) - 海月湊さん» 嬉しいコメントありがとうございます！そう言って頂けると励みになります！これからもよろしくお願い致します。 (2022年9月2日 21時) (
レス) id: 4f48927b1a (このIDを非表示/違反報告)
海月湊(プロフ) - とても面白かったです。私好みの、作品でした。続きを楽しみにしています。更新頑張って下さい。 (2022年9月2日 18時) (レス) @page20 id: 5a465236d8 (このIDを非表示/違反報告)
わさび(プロフ) - ぶどうさん» 応援のコメントとご指摘ありがとうございます！編集いたしました！これからもよろしくお願いします´`* (2022年8月27日 21時) (レス) id: 4f48927b1a (このIDを非表示/違反報告)
ぶどう - コメント失礼します。凄いスラスラ読めて、とても面白かったです。これからも応援してます！(細かい事ですが、マルフォイのファーストネームはドラコだと思います) (2022年8月27日 20時) (レス) id: 0aed378d42 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わさび | 作成日時：2022年8月23日 15時
