おまけ1.(side T.O) ページ44
あの後Aの家に帰って来て、シャワーだけ浴びさせてもらって、ベッドで横になりながらAを待ってるうちに寝てもうてた。
ふと目を覚ますと、カーテンの隙間から眩しい程の光が差し込む。
あまりの眩しさに薄く開いた目をすぐに閉じて。
Aを抱きしめようと伸ばした腕はシーツの上を滑っただけやった。
…なんでやねん。なんでおらんねん。
「…Aー」
寂しいやん。2年半振りやで?
寝ぼけた声で呼んでみるけど、返事はない。
「なぁ…Aってぇ…」
ぼんやりとした頭で、少しずつ覚醒しながら何度かAを呼ぶ。
しばらくするとようやくAが顔を覗かせた。
「…なんでおらんの?」
「気持ち良さそうに寝てたから」
確かにゆっくり寝させてもろたけど。
「今日は勝手にいなくなったらアカン」
昨日は待ってる間に寝てもうたの。
疲れてたからぐっすり寝てもうたの。
せやから久しぶりに抱き枕にも出来てへんの。
わかるやろ?
俺のワガママに呆れたようにAが微笑んで、ベッドの端に腰掛けた。
その腕を引っ張って、バランスを崩したAを抱き寄せる。
この感じ、このサイズ。
Aやなぁ、って嬉しくなって、首元に顔をグリグリ押し付けた。
「めっちゃAの匂いするぅ」
「わ!なんで匂い嗅いでんの?!」
久しぶりに感じるAの匂いに安心して、つい口から出てもうた言葉に胸を押し返された。
「久しぶりなんやからええやろ。別に減るもんちゃうし」
別にわざわざ嗅いだわけちゃうけど、嫌がられるともっとやったろなんて悪戯心が芽生えてもうて。
言うてもAも満更やなくて、戯れ合うベッドの上。
まぁ、好きな女と久しぶりにイチャイチャしてるんやから、そのうちにムラっともしてくるわけで。
知らん顔して服の裾から手を滑り込ませた。
小さくAが反応して、慌てて逃げようとし始める。
もちろん逃がすつもりなんてないけど。
「…まだ朝だからね?」
「別にええやん」
「朝からそんな元気ないってば」
「心配せんでももう元気やで?ほら」
「わぁ、ちょっと!ほらって止めて!そんな心配はしてないの!」
「ほななんの心配してんの?」
抵抗するAの2つの腕を掴んでシーツに縫い付けた。
キスで口を塞いで、ゆっくりと体に指を滑らせていく。
ほんま、余計な心配せんでもAの好きな所はちゃんと覚えてるで?
唇で、指で、甘く刺激する。
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作者名:咲菜 | 作成日時:2022年8月16日 20時