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「気晴らしに飲み行くか」

「お、いいねぇ」



一瞬チラッと頭をよぎった忠義くんの事は気付かなかった事にする。

何しろ今私はご立腹中だし、相手はゆきちゃんだし。

…当て付けみたいに飲みに行くのはよくない気もするけど。

……するけど!



「…いつにする?」



たまには良いよね。

私だって、どうしようもなくお酒を飲みたい時もある。



「今度の店の休みで良いよ」



実はここで店を開く時、それなりに不安はまだ残っていて、週に一度定休日を設けた。

地元だという安心感からか、思いの外営業は順調だったけど、定休日はそのまま継続していた。

カレンダーを確認する。

次の定休日は…忠義くんのツアーももう終わっているはずだ。



「良いの?じゃあそれで」

「何処行く?」

「いつものとこで良いんじゃない?」

「駅前んとこ?」

「うん」

「俺仕事だし8時で良い?適当に誰か誘っておく」

「はーい。よろしくー」



ゆきちゃんとの電話を切った後、もう一度カレンダーに視線を向けた。

ツアーが終わったら会いにくると言っていたけど、その日がいつなのかまだ連絡はない。

なんて連絡を拒否してるのは自分なのに。


本当に来るのかな。

それともあの記事は真実で、私の所にはもう来ないのかな。


カレンダーを見つめて、出るのはやっぱり溜息ばかり。

なんだかんだ言ってはみても、結局私は忠義くんを待ってる事実に、自分でも呆れてしまう。





迎えた飲み会当日。


忠義くんのツアーが無事に終わった事はテレビのニュースで知った。

オフの連絡も入っていた。

明日、約束通りこっちに来るらしい。


でも、今日の飲み会は約束しちゃってたし仕方ないよね。

たまにだし良いよね、と1人で誰にも届かない言い訳をしながら約束の店に向かう。


時々開かれる地元の飲み会で利用する居酒屋。

どうやらゆきちゃんが予約してくれていたらしく、席に案内されてみんなを待つ。

誰を誘ったのか聞かなかったけど、どうせいつものメンバーだろうと思っていた。

のに…時間より少し遅れて顔を見せたゆきちゃんの隣には見た事のない男の人。

ニヤッと笑うゆきちゃんと目が合う。

絶対わざとだ。

きっと最初からそのつもりだったんだ。


驚く私を気にも留めず、ゆきちゃんが先輩だと紹介してくれたその人が、柔らかい笑顔を浮かべた。

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作者名:咲菜 | 作成日時:2022年8月16日 20時

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