検索窓
今日:15 hit、昨日:41 hit、合計:40,840 hit

174. ページ26

蘇る懐かしい記憶はいくらでもあって、ゆきちゃんに誘われて一緒に飲みながら。

あの時はあーだったこーだった、なんて話ていると時間はあっという間で。

気付けば時計の針が日付を跨ごうとしていた。



「わ、そろそろさすがに帰ったら?うちに来て午前様ははなちゃんに申し訳ないよ」

「…ほんとだ。やばっ」



チラリと壁に掛かる時計を見上げて、慌ててゆきちゃんが立ち上がる。

徐にポケットから財布を取り出した。



「俺こそ遅くまでごめん。いくら?」

「私も飲んじゃったし良いよ」

「そういうわけにはいかないけど」

「ドアもぶつけちゃったし。ちょっとだけだし、奢りって事で」



私の言葉にゆきちゃんはまた小さく笑みを浮かべた。



「…じゃあ、ご馳走さま」



取り出した財布を再びポケットに押し込んだ。

結局思い出話に花が咲いちゃって、本当に飲み足りたかっただけなのかはわからずじまいだけど。

見送ろうと私も立ち上がる。

だけど、何故だかゆきちゃんがそのまま動きを止めた。

不思議に思って見上げると、目が合って。



「…アイツの言う通り、俺が口出す事じゃないのは本当はわかってるんだけど」



さっきまでの笑顔は消えて、苦虫を噛み潰したような顔で呟いた。



「もうやめとけって。おまえ帰って来てからずっとどんな顔してたか自分でもわかってるだろ?」



正直、誰かに忠義くんの事を話した事は一度もない。

だけどまぁ…それなりに晒されたんだもん。

友達は私が帰って来た理由を察してくれていたし、店にもちょくちょく顔を出してくれた。

その事については何を言うわけでもなかったけど、なんて事ない話でたくさん笑わせてくれた。

おかげで元気付けられたし、みんなが心配してくれている事はちゃんと伝わってた。

だから…ゆきちゃんの言ってる事もわかる。

175.→←173.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (96 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
332人がお気に入り
設定タグ:関ジャニ∞ , 大倉忠義
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:咲菜 | 作成日時:2022年8月16日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。