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「明日、みかちゃんとゆみちゃんライブ行くんだって」
「あ、そうなん？」
みかちゃんとゆみちゃんは、しげるくんまで連れて本当に何度か遊びに来てくれた。
今も時々連絡があって、近況報告なんかをしてくれる。
2人は相変わらず仲良くしてるらしい。
ちなみに関ジャニ∞のライブ当たったんです！とみかちゃんからメッセージが届いたのはかなり前だったけど。
「一緒に行きませんかって誘われちゃった」
2人の他に一緒に行く予定だった子が来れなくなってしまったと、急にお鉢が回ってきたのは昨日の事。
「え？ほんま？」
電話の向こうで忠義くんの声のトーンがあからさまに上がる。
「来るん？」
「行けないよ。お店あるでしょ？」
「なんでやねん。1日くらい休んだらええやん」
「休めません」
「どうせそんな事やと思ってたけど。期待して損した」
今度はあからさまにトーンを下げて、なんやねんとブツブツ呟く声が聞こえてきた。
もうずっと必要以上に連絡なんてなかったのに、あの日以来それは随分増えた。
今日もちょうど閉店頃に鳴った電話。
「もう店閉めた？」
「まだちょっと片付け残ってる。忠義くんは？」
「さっき終わったとこ。今帰ってる」
「電話してて平気？」
「マネージャーがめっちゃ睨んでるわ」
「え？そうなの？切る？」
「ちょ、冗談やって。小林くんて言うねん。ずっと付いてくれてる子でAとの事もよう知ってるし、さっきから人の話盗み聞きして、ニコニコしとる」
その言葉にマネージャーさんが何か反応したらしく、楽しそうな忠義くんの笑い声がする。
電話での忠義くんは随分ご機嫌だ。
自意識過剰と言われてしまうかもしれないけど、原因はきっと私だろう。
それが良いのか悪いのかは別として、ただ単純に嬉しく思ってしまう。
上機嫌な忠義くんとなんて事ない1日の話をしていると、がったんと静かな夜に不釣り合いな音と共に、ドアが大きく揺れた。
突然の事に体がびくりと反応する。
何事かとじっとドアを見るけど、まるで何事もなかったように、もう物音は聞こえて来ない。
「…A？どないしたん？」
突然会話を中断した私を心配する忠義くんの声にハッとする。
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作者名：咲菜 | 作成日時：2022年8月16日 20時
