後輩が俺に惚れない【五条悟】

#47 ページ49

夏油「あーと…ごめんねA
今悟疲れてて…」



『え！そうなんですか！？

大丈夫ですか？
あんまり無理しないでくださいね…？』



五条「ダ、ﾀﾞｲｼﾞｮﾌﾞ…ﾀﾞｼ…」





ありえない


俺がこいつを可愛いって思うことも

こいつに恋してるとかも、絶対




俺がこいつを惚れさせようとしてんのは

"惚れるわけない"とか

それこそありえないこと
自信満々に言いやがったからで



俺の目的は

あの日のこいつを否定することなんだから



俺がこいつを好きだから惚れさせようとしてるとか、絶対そんなんじゃねえ




てか誰になんて言われようと
俺がそう言ってんだからそうだし！！


そう、そうだよ


だから気を取り直して____





灰原「あ！ねぇA
今度はカブトムシ探してみない？」



『！、いいですね！
しばらく見てないですカブトムシ！』



五条「！」





そーーーだ！！

次は名前で呼んでやろう！！！


少女漫画にもそんなんあったし！！



さりげなく名前で呼んでﾄﾞｷｯとさせて


そんで俺に惚れさせてやる！！





五条「おい灰原、A

俺もそれ混ぜろよ
めっちゃでかいのとってやるから」



「「『！』」」



灰原「えー！ほんとですか！？」



五条「おう」



『……』





………やっっっっべ

もしかしてさりげなさすぎたか？？


気づかれないままスルーされる可能性あるなこれ！？





『……先輩…今、私の名前呼びました？』



五条「！、おー」





よかったぁぁあ気づかれた


よーし、おら照れろ一年

ﾄﾞｷｯとしただろ！？





『んふふふ』



五条「！？、な、なんだよ」





何！？何で急に笑った！？


何かおかしかったか

まさか名前間違えた！？





『先輩いつも私を呼ぶとき
"おい"とか"お前"とかばっかりだったんで

すごいうれしーです』



五条「！！」





ま じ だ


俺こいつのこと

そもそも苗字ですら呼んだことなかったわ


照れるとか以前の問題だったわやらかした





『カブトムシ、とってくれるんですよね！
はやく行きましょう

ごじょ…悟先輩！』



五条「！！！！」





悟 先 輩


"悟"先輩


"悟"




Aが口に出したその音が

俺の脳内でエコーする




目の前で楽しそうに笑うそいつは


六眼が潰れそうになるくらい眩しくて____









五条「〜〜っ、好ぎ…！！」




『え？杉？？』







認めざるを、得なかった

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