後輩が俺に惚れない【五条悟】

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ﾁｭﾝﾁｭﾝ、ﾁﾁﾁ……




2日後


夏の朝


青空の下





五条「あ…すずめだ…」





傑との体術訓練をする前の準備体操をしながら
俺は空を見上げて呟いた



かれこれずっとこんな感じで

考え事をしてはぼーっとしている



無論、あいつのことで、だ





五条「(____嫌われてないのはわかった

仲良く…？してもいいのもわかった


…けど)」





"『な、なみ、せん、ぱっ』"




俺に惚れさせるには

あまりにもでかい壁がある



あと昨日気づいたんだけど



『七海先輩！』


『あ！傑先輩！硝子先輩！！』


『灰原せんぱーい！』


『いーじーちーくん！』



大多数に向ける、あの花が咲いたような笑顔



『あ、五条先輩』



あれが俺に向けられたことはない





五条「(俺だけ…)」





俺だけ、他のやつらとは違う


前よりかマシとはいえ





五条「(そんな特別いらねえっつーの…)」





脈なんて全然ない


もうまじで、ミリもない。



俺の何がダメで

どう思われてるのかも全然わかんねえし



つい2日前…泣かせちまったし…





五条「あ〜！！もーーー！！

どうしろっつーんだよ！！！」



硝子「おい、何朝からグラウンドの真ん中で
一人で叫んでんだよ」



夏油「ただの変人だからやめな」



五条「硝子…傑…」





文句を言った勢いで大の字になって寝そべり

やっとグラウンドに来た二人を
そのまま見上げる


そんな俺をみて傑はため息をついた





夏油「悟も諦め悪いな…

また夜通し少女漫画読んだんだろう
隈がすごいぞ」



五条「"諦め"って、諦めるわけねーじゃん
このままじゃ俺の沽券に関わるから！！」





"惚れるわけない"とか

この前までパンピーだった二個下の女に

あんな顔で言われて
黙ってられるかっつーの





夏油「そうは言っても…」





傑が何か言いたげに口をもごもごさせる





五条「…なんだよ

あいつは七海が好きなんだから無理だろって？

別に今そうでも俺のこと好きにさせるし」



夏油「そんな簡単にいうけどね、」



硝子「まあいいじゃん夏油

五条の人生に一度しか訪れない初恋だ

たまには協力してあげよう」



夏油「え！？ちょ、硝子！？」



五条「……………………………………は？」





なんて？

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