後輩が俺に惚れない【五条悟】

#32 ページ33

"うさちゃんりんご大好き♡
って言ってるやつに色気はねぇか"


俺がそう思ったことを
誰か覚えているだろうか____





五条「傑〜」



傑「なんだ！？」



五条「あつい」



傑「じゃあ無限解けばいいだろ！

いい加減私だけ濡れるの不公平じゃないか！？」



五条「声でか…
傑暑すぎてハイになってんのか？」



傑「悟のせいでこうなってるんだけど…！？」





まあでもガチで暑くなってきたし

そろそろ無限解くかなあ





五条「でもその前に傑の顔面に十発あてt」



『あ！いた！先輩方！』



伊地知「待ってください〜…！」



五条「！！」





この声は…！

後ろからだから見えないけど
確実にあいつもいる！！
ﾊｯ、待て
今無限解いたら
俺はびしょ濡れになるわけだけど
水に濡れるイケメンって
もしかして女子ウケいいのでは！？
さらにアンニュイな感じだしたら
流石のあいつも見惚れるのでは！？

よし。無限解こう。

(この間0.01秒)





ﾊﾞｯｼｬｧﾝ!!!!!





傑、硝子、伊地知「「「あ」」」





ﾊﾟｯと無限を解くと

俺の前で止まっていた大量の水が
一気に俺に襲いかかってくる


制服も髪も一瞬でびしょびしょになった





五条「ったく…何すんだよ傑」





髪をかきあげ、瞳を伏せ

俺の最大限の色気を引っ張り出す





硝子「ﾁｯ、顔がいいのがムカつくな」





急に始まった何かに硝子が顔を歪めるけど

その硝子でさえそう感じてしまうほどだ


今の俺は世界で一番輝いてる自信があった





五条「(さぁ一年、とくと見よ
俺のイケメンぶりを____)」



夏油「す、すまない……


………A」



五条「あ？」





ﾄﾞｯと冷や汗をかいている傑の視線の先
____俺の隣には


俺ほどではないけど

びしょ濡れになったそいつがいた





『気にしないでください傑先輩！
タイミングが悪かったのは私ですし…！』



五条「…！！」





髪をかきあげたままの状態で

自分の体が固まるのがわかる



ただ目線だけが

自然とその透けた胸元に動いた





五条「(ぴんく…)」





下から俺を見上げるそいつと目があって

さらに体が強張る





『んふふ、水も滴るいい男…ですね、先輩』



五条「は、ぁ、う、」





俺をじっと見つめて

妖艶に笑うそいつに


俺は言葉ともいえない
訳のわからない音しか発せなかった



傑がいそいでそこらへんにおいていた自分の上着をそいつに着せる





"色気はねぇか"




____前言、撤回するわ

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