後輩が俺に惚れない【五条悟】

#26 ページ27

ﾄﾞｻｯ…





気づけば俺は崖の下に____

なんてことはなくて


仰向けに倒れるそいつの体に体重を預けていた



頭の整理がついてくると

羞恥心が徐々に込み上げてくる





五条「(…………うわ、だっせえ

今の俺超絶だせえ)」





後輩救けたことにドヤ顔してたら

踏み外して崖から落ちそうになるとか


まじダサすぎる



しかもその後輩…
惚れさせようとしてるやつに守られるとか


台無しなのにも限度があるだろ




つーかこいつ手だけじゃなくて体もやわ…

じゃなくて！！




これもうさすがにこいつも幻滅して___





『先輩！！五条先輩！！！

大丈夫ですか！？どこか怪我は！？』



五条「え

……な、ないけど…」



『っ…よかった…
しんじゃうかと…！』



五条「____……

(…なんだよ、その顔)」





俺の羞恥心なんて露しらず



俺の体を支えるそいつは

今にも泣きそうな顔をしていて


密着した体はカタカタ震えていた





五条「……何でだよ、バカにしろよ」





ダサいとか、弱いとか


俺はあんなに

お前のことをバカにしたのに





『なんでバカにするんですか
先輩は私を守ってくれたのに』



五条「！」



『すみません、ほんと

強くなるとか言っといて
先輩に守られるばかりで』



五条「っ…」





やめろよ


そんな

心の底から心配した顔すんの





五条「…お前、俺のこと嫌いなんじゃねえの」



『え』





嫌ってるなら


もうそれでもいいから



もし俺のことが嫌いなら



そんな顔向けないでほしい


そんな優しく

俺の体を起こさないでほしい





____期待するから





『…………え？逆…ですよね…？』



五条「…？なにが」



『え、だから

五条先輩が、私を嫌ってるんですよね？』



五条「……………あ？」



『え？？』

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