問題児2人と保護者1人。ただし最強。

弐拾陸話 ページ35

　
　
　
二級呪霊2体、って任務だったよねぇ……


ｻﾞｼｭｯ)


今ので4体目なんだけど？


『なん、たいっ、いるんだよっ！』

［落ち着け。心が乱れきっておる。たかだか二級だろう］

『ちょっと黙っていてください！』


織田信長にこんな口を聞ける人間は僕ぐらいだろう


僕だっていつもはこんな口聞かないけどね…


『っ！これで、最後！』

ｸﾞｻｯｯ)


『ふぅー……』


終わった…


最終的に倒した呪霊の数は6体


巫山戯てる……


「お疲れ様です。大丈夫ですか？」

『はい。今何時でしょうか…』

「17時です」


3時間もかかったの⁉


そういえばお腹空いてるなぁ


『あの…中田さん食堂のメニュー分かったりします？』

「ふふっ。本当に聞いてきましたね」

『え？』

「夏油くんが私に教えてくれたんです。きっとお腹空くだろうって。今日はさばの味噌煮定食だそうですよ」

『鯖…』


食べられるな


『できれば急ぎめでお願いします』

「高専直行ですね」


疲れてはいるが、空腹と先程の戦闘の興奮のせいか眠れなかった


この前中田さんから聞いた話だが、僕ひとりで乗っている車内はとても静からしい


確かに考え事をしていることもある


でも、やっぱり車を運転している人にやたら話しかけるのは無礼かと思っているというのが本音だ


だって集中力が落ちちゃいそうだし


「着きましたよ」

『え、あ、もうですか？』

「今日はいつにも増して深く考え事してましたね。もう一時間経ってますよ」

『マジですか…』


時間の感覚もなくなるほどの深慮も考えものだな


『今日もありがとうございました。お疲れ様です』

「はい！お疲れ様でした！」


お腹すいた……


あ、共同スペース電気付いてる


悟くんたちかな…


『ただい、ま…』


あ、違う


「あ、おかえりなさい！」

「…灰原、知り合いですか？」

「いや！でも先輩かなって！」

『違ったらどうするの？』

「！」


金髪の彼が目を見開いて少し身構える


『ふふ、嘘だよ。からかってごめんね、僕は2年の国重Aです。よろしくね』

「くにしげさん…1年の灰原雄です！」

「七海建人です。国重さんの階級は…」

『準一級だよ……僕のことは好きなように呼んでくれていいからね。呼びにくいでしょ』


じゃあAさん！と元気よく応えた灰原くん


16歳とは思えない落ち着きを持った七海くん


取り敢えず悟くんみたいな子はいないことにホッとした
　
　

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