問題児2人と保護者1人。ただし最強。

拾壱話 ページ17

　
　
　
一年生も後半に差し掛かった頃、僕は万里さんに呼ばれて家に帰った


家に着いたときの我が師匠の第一声に度肝を抜かれた


「お前に子守を頼みたい」

『…は？』


いくら育ての親とはいえ今まで何か物申したりなどしてこなかったし、なんでも話は遮らず聞いていた


しかし今回ばかりは別である


『いや、あの…はい？聞き間違いですか？子守とか聞こえましたけど？』

「あぁ、言ったな。その子は」

『やめてくださいよ。私の子だとか聞きたくないですからね』

「話を聞かんか」

『ﾊｯ………すみません』


話を聞くところによると、万里さんの妹さんのお子さん…らしい


『質問よろしいですか』

「なんだ」

『何故万里さんが預かることになるのです？』

「あぁ、妹たちは普段京都に住んでいてな。今回任務で東京に出てくることになって、子供を置いてはいけないからな。私のところに預けるという判断に至ったらしい」

『…そして万里さんは僕に援護を頼むという判断に至ったと。そういうことですね』

「あぁ。私もお前を育てはしたが、お前は男だったからな。妹たちの子供は女の子なんだ」

『それ、僕がいても状況は変わらないのでは…』


女の子なんて家入さんと庵さんくらいしか接したことないのに…


『はぁ、分かりました。できる限りのことはします。…3連休返上ですからね、まったく』


そう、今日は週末土曜日


しかも土日月と3連休なのだ


4人とも任務がなかったから桃鉄やろうか、なんて話してたのに


僕だけ呼び出されて子守とは……


家入さんが写真送ってくれるらしいから感謝しよう


『…そういえば万里さんが此処にいるということは、その子は今一人…？』

「昼寝をしている。先程まで呪具について教えていたからな。疲れたんだろう」

『え、ということは将来その子は呪具師になるのですか？』

「…いや、まだわからん。なるとしても呪術師だろう」


…こちら(視える)側なのか

　
でも国重家なら理解もあっていいだろうね


『ちなみに、その子の年はいくつですか？』

「…3歳だ」

『さっ………』


絶句


本気ですか？


16歳男子に3歳女児の相手をしろと？


自分で言うのもなんだけど一番難しい年頃なのわかってます？


…言ったところで始まらないので、僕は子供との触れ合い方を1から考えだした
　

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