問題児2人と保護者1人。ただし最強。

伍話 ページ11

　
　
　
ｻﾞｼｭｯ

ﾊﾟｧﾝ

ｸﾞｻｯ


『…弱いな』


2級呪霊二体の討伐任務


刺激が足りない


簡単すぎてつまらない


昇級試験受けようかな


準一級にならすぐなれるだろう


五条くんと夏油くんは今一級だし


…いやいや、あの2人を基準にしちゃ駄目だ


『昇級すれば忙しくなるかもだけど…(ｱｿﾎﾞ)！』


後ろに呪霊が！！


『なんっで、報告と違う！』


呪霊は2体だったはずなのに…！


しかもコレ、一級じゃない⁉


ボーッとしていて気づかなかったが、まだ帳が上がっていなかった


どうしよう、早く抜刀を……


(ｱｿﾎﾞｫｫｫｫｫｫ)

『な、に⁉ｻﾞｸｯ)い゛っ…！』


なんか呪霊の手？腕？みたいなとこが鎌っぽい形になってて、そこで腕を切られた


繋がってるから大丈夫…大丈夫…


どうしよう、術式、使って治さ、ないと、


帳も下りてるし、誰も見てない


早く治して、祓わなきゃ


『“血鬼操術・一治一乱”』


なんていうか、筋肉が繋がっていくような、そんな感覚


久しぶりだな


呪霊からは見えなさそうな場所に隠れて、手を開いたり握ったりを繰り返す


『…よし。修復完了』

(ｵ゛ｫｫｫｫｫｫｫｫ)

『煩いよ。君のせいで服が破れちゃったじゃないか。帰ったら面倒なんだからな………ひと思いにやってやる』

(ｸﾞｵｫｫｫ)

『…はい、残念』

ｻﾞｼｭｯ)


あ、帳上がってる


帰る……前に偽装工作、しなきゃ


こういうときのためにポケットに包帯入れてるんだ


キツめに巻いて、周りの血を付けてやれば……怪我を処置したように見えるよね


「国重く〜ん！いますか〜！！」

『！あ、はい！ここです！』


遅い僕を心配してか、補助監督の中田さんが大声で僕を呼んだ


僕たちの先輩に当たる2級術師の女性だ


「あ、良かっ……け、怪我してるじゃないですか！」

『大丈夫です。止血も処置もちゃんとしましたから』

「で、でも一応家入くんに電話を」

『…電話はしないでください。自然治癒で十分ですよ』


これだけは譲れない


バレたら困る


五条くんと夏油くんに負けず劣らず鋭いからね、家入さんは


『車、出してください』

「…わかりました」


ごめんなさい


僕のワガママを許して
　

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