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風見は降谷の鋭い眼差しで
射抜かれたように動けない



「Aさんに会ったのか…?」



たった一言だったのだが
風見が震え上がるには
その一言で充分だったのだ



風見は目の前でドロドロと黒いオーラを出して
自分を鋭い目つきで見据えている降谷の顔を
見ることが出来ずにいた



(あぁ…どうしたら…!)



風見は今日ここで死んでしまうのではないかと
思い始めていた


ぎゅっと拳を握ると
恐る恐る降谷の顔を見た



「…降谷さん………

仰る通り、Aさんにお会いしました」



降谷はジッと風見を見ていたが
目の前にあったグラスを一気に空にした



「Aさんは元気だったのか…?」



空のグラスを見つめたまま降谷は話す



「はい…、悩み事はあるようでしたが
自分の中で答えを見つけられている
様子でした…」


ケーキを8個食べていましたよ、と
言いかけて風見はやめた



「そうか…」


降谷はグラスを握っていた手を緩め
風見の方を見た


「彼女が連絡を待っているというのは
本当なのか…?」



ポツリと呟く



「はい…、好きな男性からの連絡と
私におっしゃっいました」



風見の目の前には
いつもの鬼上司とは思えない程
切なくて壊れてしまいそうな雰囲気の
降谷がいた



(降谷さん…)



風見でもこんな降谷の姿を目にするのは
初めてのことである

ましてや、恋愛の話など
過去にしたことがあっただろうか…


むさ苦しい男ばかりの部署で
誰よりも厳しく、誰よりも強く
みんなの憧れの上司

その降谷がこんなにも辛そうなのは
恋をしているからなのか…



「風見…彼女は僕を許してくれるだろうか…」


「はい…、
だから今でも降谷さんからの連絡を
待っていらっしゃるんだと思います」


風見は降谷の瞳を見ながら言った



「そうか…
連絡をしなくなってから
まだ一カ月しか経ってないんだ

それなのに毎日会いたくて、会いたくて
もう10年くらい過ぎたようだ…

彼女に嫌われるのが怖くて
逃げたのは僕の方なのに…」



降谷はそう言って携帯を取り出す



「後で連絡してみるか…」



そう言った降谷を見て
風見は安心したように少しだけ
微笑んだのだった

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設定タグ:降谷零 , 安室透 , コナン   
作品ジャンル:アニメ
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あい(プロフ) - あいうえおさん» コメありがとうございます!ご指摘頂きましたが、おっしゃる通り時間も経っておりますので、このままで行きます。すみません! (2019年4月27日 10時) (レス) id: d8d396b9c0 (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - あの、降谷さんはいつもは「俺」と言っていますよ。安室さんのときは「僕」ですが、、直してほしいわけじゃないんですけど、大変だと思うので、、 (2019年4月27日 7時) (レス) id: d4ea0d195c (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - RURUさん» お久しぶりです!いつもご覧頂きありがとうございます^ ^ 漸く更新できました!ジンさんがだんだんと怖い人になってますね…!さぁどんなことが起こるのか…、明日のお話をお楽しみ… (2018年10月8日 23時) (レス) id: d8d396b9c0 (このIDを非表示/違反報告)
RURU(プロフ) - お久しぶりです!更新楽しみに待ってました!この後2人がどうなるかとてもハラハラしてます!ジンはただでさえ今は情緒不安定なのにあんなの見ちゃったらこの間よりもっと恐ろしい事になってしまうんじゃ…明日の更新待ってます! (2018年10月8日 21時) (レス) id: b7492cc28b (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - RURUさん» ジンはキスマークを見て何を思っているのでしょう…?ちょっと不安ですね…。どうなるのか、明日わかります!いつも応援ありがとうございます!頑張ります! (2018年9月24日 17時) (レス) id: d8d396b9c0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:i | 作成日時:2018年9月17日 15時

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