【名探偵コナン】…秘密…8【降谷零】

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時間が経つのは早いもので
次郎吉の電話があってから
もう１週間が過ぎた


『はぁ…』


安室からの連絡を
ひたすら待っているものの
相変わらず何の音沙汰もない


(おじ様のところには
私一人で行こう…

場合によっては
透さんとは別れたとでも言った方が
良いのかもしれない…)


ただ、そんなことを言えば
またお見合いの話が復活するのは
目に見えているので
出来るだけ避けたいのだが…



Aはシャワーを浴びて
浴室を後にする


風見の話を聞いてから
何故か安室が連絡を
くれそうな気がしていた


携帯の写真のフォルダを開けば
以前園子からこっそり貰った
安室の写真が入っている


『透さん…会いたいな…』


もうポアロにも一カ月は行っていない
そろそろ安室のハムサンドも
食べたくて仕方がないのだ





♫…♫…♫…





(誰…)


Aはディスプレイを見て
固まってしまった









珍しく風見は降谷とバーに飲みに来ていた


2人は乾杯を交わしたあと
仕事の話を少しだけして
何故か恋バナを始めていた


「…降谷さんはさぞかし
女性からモテるでしょうね」


「モテないとは言わないが
あまり良い思い出はないな…」


苦笑いをしながらグラスを傾ける姿は
風見から見ても魅力的だ


「最近、知り合いの女性から
恋愛相談を受けまして…

好きな男性の連絡を
ずっと待ち続けているんだと…

ただ私は恋愛経験が
かなり少ないものですから
的確なアドバイスをすることは
出来ませんでした」


降谷は少し寂しげな表情の風見を見た


「何だ、お前その女性に
気があるのか…？」


その言葉に風見は慌てる


「まさか、滅相もない！
あのような美人は自分には勿体ないです！」


あまりの慌てように降谷はフッと笑う


「不倫はするなよ」


「勿論です！それに彼女は結婚していませんし
まだ学生ですから」


学生という言葉に降谷がピクっと反応した


しまった！と風見が思った時にはもう遅い


「お前の様子から見て
その女性は成人しているものと
思って聞いていたんだが…

学生と言ったな？

僕の推測が正しければ
その彼女は大学生以上

お前のプライベートについては
僕も詳しくは知らないが
お前は自分の身内を美人と言う
タイプではない

今迄にそんな学生の話を聞いたのは
たった一度きり…」


風見の背中を
冷たい汗がゆっくりと流れたのがわかった

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