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降谷はAがいる道沿いに車を停め
Aの元へと走った
Aは泣き疲れたのか
街灯にもたれかかりぼんやりと
何処かを見つめていた
「Aさん!」
降谷が目の前に来ると
『れ…いさ……』
まだボロボロと涙を零す
(何があったんだ…!)
降谷は人目もはばからず
Aを抱え上げて
自分の車に乗せて
そのままAの自宅へと
車わや走らせたのだった
車の中でもAは終始泣き続け
歩ける様子ではないため
降谷が家まで抱き抱えてきた
とりあえずリビングのソファーに
Aを座らせると
ゆっくりと自分に抱き寄せる
(落ち着くまでは話が出来ないよな…)
本当は何があったのか
一から十まで問いただしたいのだが
それではまるで取り調べになってしまう
降谷は自分が冷静であることが必要だと
Aの背中をポンポンと
子供をあやす様に叩きながら
Aが泣き止むのを待ったのだった
暫くすると…
『零さん…ごめんなさい…
仕事中だったのに…』
いつもとは違う弱々しい声が聞こえた
「いや、大丈夫だ…
何があったのか聞いてもいいかい?」
Aはコクンと頷き
昼間にあったことを鮮明に話した
降谷は話を聞いているうちに
自分の表情が険しくなり
怒りで震えているのがわかった
(僕のせいだ…!)
Aが寝ている間に
その可愛さのあまりキスマークを
うなじにひとつ付けた
付けた後で降谷は何だか恥ずかしくなり
Aには告げなかった
それがこの事態を招いてしまった
(大切な人を守らずに
何が公安だ…!!)
これ以上ない程、拳を握りしめた
Aは降谷に申し訳なさそうに
ずっと下を向いたままで
目をあわせようとしない
「Aさん…
今回の件は僕の軽率な行動が原因だ
謝っても済むことではないが
済まなかった…
こんなことになるなんて
僕が甘かった…」
降谷は頭を下げた
『違う!違うの…、零さん…
私が危険人物とわかっていながら
ずっとジンさんと関わっていたのが
行けなかったの…
ごめんなさい、零さん…!』
Aも降谷と同様に頭を下げる
降谷はそんなAを抱きしめた
「悪いのは僕だ…
貴女を危険な目に遭わせてしまい
心に傷を負わせてしまった…
本当に済まない」
Aはフルフルと頭を振ると
降谷にしがみついたのだった
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あい(プロフ) - あいうえおさん» コメありがとうございます!ご指摘頂きましたが、おっしゃる通り時間も経っておりますので、このままで行きます。すみません! (2019年4月27日 10時) (レス) id: d8d396b9c0 (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - あの、降谷さんはいつもは「俺」と言っていますよ。安室さんのときは「僕」ですが、、直してほしいわけじゃないんですけど、大変だと思うので、、 (2019年4月27日 7時) (レス) id: d4ea0d195c (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - RURUさん» お久しぶりです!いつもご覧頂きありがとうございます^ ^ 漸く更新できました!ジンさんがだんだんと怖い人になってますね…!さぁどんなことが起こるのか…、明日のお話をお楽しみ… (2018年10月8日 23時) (レス) id: d8d396b9c0 (このIDを非表示/違反報告)
RURU(プロフ) - お久しぶりです!更新楽しみに待ってました!この後2人がどうなるかとてもハラハラしてます!ジンはただでさえ今は情緒不安定なのにあんなの見ちゃったらこの間よりもっと恐ろしい事になってしまうんじゃ…明日の更新待ってます! (2018年10月8日 21時) (レス) id: b7492cc28b (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - RURUさん» ジンはキスマークを見て何を思っているのでしょう…?ちょっと不安ですね…。どうなるのか、明日わかります!いつも応援ありがとうございます!頑張ります! (2018年9月24日 17時) (レス) id: d8d396b9c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:i | 作成日時:2018年9月17日 15時