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「心当たりあるんだろ…」
ジンは真っ赤な顔で押し黙っている
Aの方へと近づく
(零さんのこと言えないよね…)
だからといって下手な嘘も
言えるような相手ではないのだ
Aはどうするべきか分からず
目を伏せた
ジンからしてみれば
相手を言わないことも面白くない
「チッ…」
ジンは舌打ちをするとAを
一瞬で抱えて踵を返した
『えっ、ちょっと…!
下ろしてください!』
Aは手足をばたつかせたが
そんなものはジンからすれば何ともない
「動くな…」
そう一言だけ告げると
競歩の選手も驚く勢いで歩いて
ポルシェへと戻り
Aを助手席へと押し込んだ
(…どうしよう!)
見る見るうちに車はどんどんと進んで行く
Aはポケットの中にある
探偵バッチを握りしめたが
この至近距離の密室で
誰かに連絡をする勇気はない
ましてやジンにバレた場合は
相手の人もどうなるかわからない
(落ち着かないと…
ここで下手打ったら私も零さんも
他のみんなも危なくなる…)
Aは自分の手をぎゅっと握り
心を落ち着かせた
ジンは車を走らせながら
横目でAの様子を伺っていた
最初は少し怯えた表情を見せたものの
今は真っ直ぐ正面を向いて
落ち着き払っている
(本当に此奴は変わった女だ…)
コロコロと表情豊かなくせに
変なところで肝が座っている
ジンは車を運転しながら
口の端で笑ったのだった
(ここは…)
どう見てもそういうことをするホテル…
経験がないAでもそれくらいはわかる
車が停まるとまたジンに抱えられ
中へ連れていかれた
ドサッ
ベッドの上に降ろされて
Aは身構えた
(どうする…、逃げないと…!)
内心焦ってはいるものの
目の前にはジンが立っていて
入り口はさっき入ったドアのみ
エレベーターで上がってきたので
窓からは出られない
「前にお前は兎だと言ったな…」
そう言ってAの上服を乱雑に剥ぎ取った
『いや…!』
Aは素早く布団で身を隠す
目の前のジンはいつの間にか
上半身は何も纏っておらず
Aに馬乗りしてきた
両腕を素早く掴んで頭の上に
押さえつけられたかと思うと
ジンはAの頬にもう片方の手を
当てたのだった
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あい(プロフ) - あいうえおさん» コメありがとうございます!ご指摘頂きましたが、おっしゃる通り時間も経っておりますので、このままで行きます。すみません! (2019年4月27日 10時) (レス) id: d8d396b9c0 (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - あの、降谷さんはいつもは「俺」と言っていますよ。安室さんのときは「僕」ですが、、直してほしいわけじゃないんですけど、大変だと思うので、、 (2019年4月27日 7時) (レス) id: d4ea0d195c (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - RURUさん» お久しぶりです!いつもご覧頂きありがとうございます^ ^ 漸く更新できました!ジンさんがだんだんと怖い人になってますね…!さぁどんなことが起こるのか…、明日のお話をお楽しみ… (2018年10月8日 23時) (レス) id: d8d396b9c0 (このIDを非表示/違反報告)
RURU(プロフ) - お久しぶりです!更新楽しみに待ってました!この後2人がどうなるかとてもハラハラしてます!ジンはただでさえ今は情緒不安定なのにあんなの見ちゃったらこの間よりもっと恐ろしい事になってしまうんじゃ…明日の更新待ってます! (2018年10月8日 21時) (レス) id: b7492cc28b (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - RURUさん» ジンはキスマークを見て何を思っているのでしょう…?ちょっと不安ですね…。どうなるのか、明日わかります!いつも応援ありがとうございます!頑張ります! (2018年9月24日 17時) (レス) id: d8d396b9c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:i | 作成日時:2018年9月17日 15時