予告状 ページ33
なんの役にも立たなかった職場体験の感想を8:2の癖込みで切島に話してホームルームの時間。
1週間ぶりに帰った家は酒瓶と缶でいっぱいになっていて、母はむしゃくしゃしてたのか俺の背中をビンで殴った。薄着だったのでちゃんと破片でパックリいって今、制服の下は自分で巻いた包帯まみれ。適当にやったから痕が残るかもしれない。
「えー、そろそろ夏休みが近いが…」
ひりつく背中を曲げて頬杖をつく。夏休みという言葉を聞いて周りの奴らはソワソワしだす。なんだか学校っぽい。
「林間合宿やるぞ」
「「「やったぁぁー！！！！」」」
宿泊行事。中学の時は全く楽しめなかったのを覚えている。だってあの時は受験で病みすぎて友達ができなかったし、その反動でヒーローが反吐が出るくらい嫌いになった。だからヒーローが人気の旧クラスメイトとは馬が合わなかった。今はだいぶ緩和されて流石にゲロは吐かない。
今の俺なら楽しめるかな…？ちらっと切島を見ると興奮気味にガッツポーズをしてきた。コイツを見てると全部がどうでも良くなるな、ホント。…とりあえず楽しめそうだ。
「ただし、期末テストで合格点に満たなかった奴は学校で補習地獄だ。」
切島の顔が絶望の淵に急降下する。おもしろい。俺は座学には割と自信がある。問題は演習試験。何が出るかはオタノシミ！！だってさ。どうしたもんかね。
ホームルームが終わると携帯の通知が鳴った。メールが届いてた。俺は誰ともメアド交換してないのに。送り主の名前は書いてなかった。件名は書いてなくて不気味。
恐る恐る開くと内容は、【放課後迎えに行くね】とだけ。今日の様子の親が迎えに来るとは思えないし。ってことは可能性があるのは…死柄木さん？そんなことある？画面を凝視していると背中にドンと衝撃。ケガに響く。切島が背中を叩いたのだ。
「ゔ」
「えっ、わりぃ痛かった？」
「別に、痛かった。」
「よかった…いやよくねえよ！てか今日爆豪と勉強するんだけどお前も来いよ！」
奥の方でばくごーは舌打ちをしてた。本当に行っていいのかよ。というかメール…。今日だよな？
「…なんか嫌だ。」
「ええー！！特に理由ねぇのがひでぇ！！！！」
「うるさ」
その後もぐちぐち言い続ける切島に「漢じゃないね」と小声で言ったらすぐ黙った。便利な言葉。魔法みたい。
メールの内容を何度も見てソワソワした1日が始まった。
____
星100コありがとうございます！！！
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作者名：鞘駄律機 | 作成日時：2021年8月26日 14時
