雄英脱出【死柄木弔】 (ページ14)

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JUST FOR YOU ページ14

チャイムと共に昨日の怪我をおびただしい量の包帯で巻いた相澤せんせーが入ってきた。

相「雄英体育祭があります」

そう知らされたのは昨日の涙が完全に渇ききった今日のHR。雄英体育祭、日本中のヒーローやテレビ局がこぞってこの日にやってくるビッグイベントだそうだ。残念ながら俺の家にはテレビなんか無いので全くもって知らない。

昨日外し忘れた包帯が制服の下でぐちゃっとなって気持ち悪い。首を動かしたり、少し肩を回してみたりと試行錯誤するが直るどころか悪化している。うざったい。

相「色取、その気持ちはよく分かるが話を聞け。」

全身包帯ミーラ男の気持ちなんて分かりたくも無い。こっちから願い下げだ。案の定、昨日は遅くに帰ったがために親に叱られた。ついでに皿も割られたので俺が片付ける羽目になった。正直今は何もする気がない。

相「ヒーローを志すなら絶対に外せないイベントだ」

せんせーはそう熱く語るけどさ。俺は無理なんだよそういうのは。親は俺にヒーローになれと言うからきっと画面越しには見てくれる。でも見てるのは“ヒーローを目指す”俺なんだ。本当の俺じゃ無い。

良くも悪くも目立てるのなら、死柄木さんの目に少しは入れるのか？死柄木さんはUSJの件で大量の仲間を連れていた。あの黒いモヤモヤの奴も。俺が強いって証明できたらその仲間に入れてもらえるかな。

切「彩人！！なーにニヤニヤしてんだ！！」

　「…」

切「一瞬にして真顔になるなよ！！！」

こいつは無視して授業の準備を始める。

雄英体育祭、死柄木さんに伝えよう。俺があなたの役に立てるってことを。俺だけを見てなんて、今は言わないから。ただ、俺にあなたの瞳を見させてほしい。俺はここにいるんだって知って。

　「…頑張ろうな。」

切「お？おう！！！」