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A「こんなことあるんだね」




沙織が残していった書類を改めて眺める。




太輔「ほんとだな」




A「太ちゃんごめんね。勝手にいなくなって」




太輔「すっごい心配したんだからな。それで、今までどこにいたんだ?」





A「オーストラリアだよ。今はそっちの学校にいて、修学旅行でこっち来てるの」




太輔「じゃあ、しばらくは戻らない?」





A「ううん、せっかくみんながここまでしてくれたんだもん。できるだけ早く転校する。
ねえ、太ちゃんは先生辞めないよね?」




太輔「あぁ、Aがそばに居てくれるなら続けようと思う」




良かった。こんなに信頼されてるんだから、やっぱり教師は太ちゃんの天職なんだよ。




太輔「Aはいつまでこっちにいるの?修学旅行ってことはすぐ帰るんだよな?」





A「明日の朝の便で帰るの。でも、2学期始まる頃には戻りたいな」





太ちゃんの肩に頭を乗せると、優しく頭ぽんぽんってしてくれる。




太輔「ここじゃあんまりゆっくりできないから、家に行こう」




太ちゃんと手を繋いで、懐かしい道のりを歩く。







太ちゃんの家に行くと、沙織と玉ちゃんが太ちゃんママとリビングでくつろぎながらお茶してた。



沙織「おかえり。その様子だと上手くいったみたいね!」




玉森「ほんと世話が焼けるんだから。今度Aちゃんのこと手放したら、容赦なくもらうから」



太輔「ふはっ、A独占欲強いから玉森のとこには行かないかもな」



沙織「あれ?しおらしい太ちゃんどこ行った?」




カフェでの重苦しい雰囲気はどこかに行って、みんなで和気あいあいと過ごした。



沙織「ねぇ、Aはいつ帰ってくるの?」



A「わかんないけど、2学期までに戻るね」



沙織「早く帰ってきてね!A居ないとつまんないんだから」



玉森「さて、俺たちはそろそろ帰るか。またね。気を付けて帰ってね」




太輔「あっ、送ってく。俺たちも帰ろう」



A「うん、でも私ホテル戻らなきゃだからそこまで送ってもらってもいい?」



明日帰るのに、ホテルの部屋に荷物広げっぱなしだから、さすがに今日は戻らないと。



太輔「は?家来れないの?たくっ、せっかく会えたのにこれかよ」



沙織「まぁいいじゃん。これから思う存分イチャイチャできるんだから。それより早く車出して。」



沙織もいつもの調子に戻った。さっきはすごい緊張した顔してたのに。



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作者名:Meri | 作成日時:2014年10月15日 16時

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