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沙織side




Aの家に行くと、ちょうどAのお母さんがいた。





沙織「突然来ちゃってすみません。ちょっとだけお話いいですか?」




母「うん。どうしたの?」




沙織「藤ヶ谷先生が、うちの学校に退職届を提出したんです。Aが大変な思いするなら、太ちゃんが学校辞めるって」




母「そんなことが?」




沙織「今の2人はお互いのことを思って空回りしてるだけなんです。
藤ヶ谷先生はみんなから人気がある先生なので、クラス全員で校長先生に直訴しに行ったんです。藤ヶ谷先生の退職取り消しと、Aがまた学校に戻ってくることを。それにみんなの署名も集めました」



机の上にみんなからの署名の束を置いた。




母「これをみんなが?」



沙織「それで職員会議の結果可決されて、2人が戻ってくることが許されたんです。でも、どうやって2人に戻ってきてもらえばいいか分からなくて。」



母「Aはオーストラリアだもんね。太ちゃんも忙しいだろうし」




沙織「藤ヶ谷先生のご両親とは連絡取ってないですか?ご両親から連絡があれば、帰ってもらえるかなって思って。」




母「連絡はできるわよ。でも、その方法で太ちゃんはいいとして、Aはどうするの?」





沙織「修学旅行の自由時間で藤ヶ谷先生の実家近くに誘おうと思ってます。上手くいくか分からないけど、それしか方法が思いつかなくて」




母「そう。私もあの2人には幸せになってほしいわ。昔から仲が良すぎるくらいでね。だから、なんでも言ってね。本当は本人たちがやらなきゃいけないことなのに。」





沙織「あの2人はみんなから愛されてますよね。私だけの力じゃ到底及ばないと思うので、色々お願いします。」






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作者名:Meri | 作成日時:2014年10月15日 16時

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